<編成関連>
2010年度の視聴率は、GH6.1%(前年比-1.0ポイント)、PT5.8%(同-0.9ポイント)、全日2.8%(同-0.4ポイント)と、極めて不本意な成績に終わりました。震災後に池上彰さんの番組を3週連続で放送するなど成果もあり、後半やや歯止めがかかったと思いますが、全体としては厳しい状況が続いています。
4月クールはスタートして3週が経ちましたが、GH5.5%(前年比-0.8ポイント)、PT5.2%(同-0.7ポイント)、全日2.6%(同-0.3ポイント)と、各局の期首特番編成のなか、苦戦を強いられています。テレビ東京は、新番組が軌道に乗るまで遅れ気味の傾向がありますので、昨日(25日)スタートしたドラマ「鈴木先生」も、これから徐々に力を付けてくれればと思っているところです。7月のデジタル化移行とその後をにらんで、番組強化策を鋭意検討し、早く対応するべきものは早く対応していきたいと思います。
新番組は、ドラマ24「マジすか学園2」が初回4.9%とまずまずの出足です。「爆笑問題の大変よくできました!」と「鈴木先生」は苦戦していますが、今夜(26日)から「仰天クイズ!ルールSHOW」が、金曜(29日)には、久しぶりのテレビ東京出演となるナインティナイン岡村さんの「ちょこっとイイコト 岡村ほんこんしあわせプロジェクト」が初回放送を迎えます。金曜のラインがしっかりするので、その辺を起爆剤にしたいと思っています。
<「世界卓球2011ロッテルダム」について>
「世界卓球2011」が、オランダ・ロッテルダムで開幕し、テレビ東京、BSジャパンでは、全力を挙げて連日、熱戦の模様を放送します(※放送日:5月9日~15日)。
「マジすか学園2」好スタートの立役者でもあるAKB48が、サポーターとテーマソングを担当し、MCは、芸能界でも1、2を争う卓球愛好家である福澤朗さんにお願いしました。
「世界卓球」は、テレビ東京に合った大変重要なコンテンツだと考えており、これまでも日本卓球協会と一緒に、卓球を盛り上げる努力をしてきました。今年は、2016年まで6年間に渡る長期の放映権契約を結びましたので、卓球の面白さ、スポーツとしての凄さをしっかり伝え、腰を入れて中長期で放送していきたいと考えています。我々の放送によって、お茶の間にも卓球のスピード感や、反射神経を要するスポーツだということが、ずいぶん浸透してきたと思いますが、さらにそれを深め、ファンの芽を広げたいと思います。幸い若い選手が育っていますので、お家芸としての卓球を盛り上げ、世界最強の中国を打倒するべく、一緒に頑張っていきたいです。
今年の大会は「個人戦」のため、やや不利な面もありますが、福原愛選手(世界ランク7位)や、石川佳純選手(同10位)、水谷隼選手(同7位)が、世界ランキング上位に入っていますので、相当期待ができるのではと思っています(※世界ランクは最新)。
なお、データ放送でも、本日(26日)から「卓球ラリーゲーム」の実施が始まりました。
<営業関連>
3月は単体の営業実績で、タイムが前年同期比-10.2%、スポットは-0.9%、タイム・スポットの合計で-7.0%となりました。震災により、3月はタイム・スポット合計で5億円弱の影響が出ました。
本当の業績への影響は、むしろこれからでしょう。スポンサーも損害の復旧に時間を要することと思います。新年度の予算も、まだ見通しが完全に立っていません。今年はデジタル元年として、番組の競争力が試される新しいステージを迎えますので、どのような番組作りをしていくか、局内の英知を集めて、検討していきたいと思っています。
<アニメ関連「鬼神伝」について>
(田村明彦 上席執行役員 アニメ局長兼営業局担当補佐)
日本のみならず、世界に向けて発信できる作品を生み出そうと、制作会社ぴえろ、配給会社ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントの協力を得て、4月29日(金・祝)から「鬼神伝」を公開します。原作は、高田崇史さんの小説で、壮大なスケールの歴史スペクタクルです。声優には中村獅童さん、石原さとみさんを迎え、音楽は宇崎竜童さんが担当します。
事前のプロモーションを兼ねて、明日(27日)の夜、「鬼神伝 緊急特番」と題して、Ustreamでイベントの生中継を行います。この特番は川﨑監督と宇崎さんによるトークセッションや、主題歌を歌っていただいている福原美穂さんの生歌披露と盛りだくさんの内容です。また、本ライブ中継はUstream を使った初のチャリティとなり、「瞬間最大視聴者数×100円」を東日本大震災の復興義捐金として日本赤十字社に寄付します。
<事業関連>
(井澤昌平 取締役)
4月1日に組織変更があり、事業局とコンテンツビジネス局を新設しました。まず、事業局からは、5月14日(土)に公開する「ジュリエットからの手紙」をご紹介します。
かつてテレビ東京は単館系の映画に数多く投資をしていましたが、単館系の洋画減少や、版権料の高騰などによって、この2~3年は投資をしていませんでした。しかし、今回改めて作品を吟味し、2年半ぶりに投資をした映画が、この「ジュリエットからの手紙」です。
イタリアのヴェローナにある「ロミオとジュリエット」のジュリエットの家に年間5,000通もの恋の悩み相談の手紙が届くという実話から生まれ、その1通の返事を巡った物語です。全米では昨年5月14日に公開し、大ヒットを記録しました。
コンテンツビジネス局からは、「テレビ東京オンデマンド」をご紹介します。
これまで、アニメに関しては「あにてれシアター」という形で、各配信事業者を通じ配信してきましたが、4月スタートの「鈴木先生」で、一般番組の本格的な有料動画配信に参入するということになり、「テレビ東京オンデマンド」という名前を掲げることにしました。今後は、アニメに加え、ドラマ、報道関係を含め、放送外収入を高めていこうと考えています。
Q.これまでオンデマンド対応が遅れていたのは番組販売の影響か
A.(島田社長)
番販の面もありますが、率直に言えば、対応が遅れていたということ。他局と比較すると、2周遅れくらいでしょう。番組を買っていただいている局にも配慮しながら、これから少しずつ取り返していきます。
どのような番組でオンデマンドをやっていくか、考えながらやらなくてはいけないと思います。経済コンテンツについては、日経グループの中でどう届けていくかという命題もあります。本来、もっと充実させるべきでしたが、ようやく緒に就いたということです。そのために、この4月からコンテンツビジネス局を作り、しっかりやっていこうということにしました。
<地デジについて>
残り3ヵ月弱で、テレビ東京も12チャンネルから7チャンネルに完全に変更になるため、なんとしても7チャンネルを浸透させるために、5月1日から新しい5秒スポットを放送します。各番組の出演者に「地デジ7チャン」コールをしていただき、7チャンネルを訴えていきます。ラッキー7はいい番号なので、残り3ヵ月で浸透させたいと思います。
東北3県のアナログ停波を最大1年延長するという決定が下されたことについては、そういう時間をとったことで、なるべく早く完全デジタル化に向けた作業をするという理解をしています。あの被害の状況を見て、やむを得ない状況は理解しているつもりですが、7月24日の完全デジタル化に向け、やってきた経緯から見ると、残念なことです。
しかし、我々は我々の範囲の中で粛々とデジタル化の作業を進めていくことが必要だろうと思います。今回の決定を受け、東北3県の放送局がデジタル化を進めつつ、アナログ放送を継続していくことは、経営的に相当負担になっていくだろうと思います。この点については、国が手厚く対応していただきたいと思います。東北の放送局は、いろいろな形で今回の災害への直接的な被害も被っていますし、地元の放送機関として使命を全うしているという現状を考えれば、是非そうしていただきたいと思っています。
≪会見者≫
代表取締役社長 島田 昌幸
常務取締役 編成局、コンテンツ契約局、メディア・アーカイブセンター担当 辻 幹男
常務取締役 経営戦略局、広報局、新規事業推進室担当 三宅 誠一
取締役 コンテンツビジネス局、事業局、ビジネス管理部担当 井澤 昌平
上席執行役員 アニメ局長 兼 営業局担当補佐 田村 明彦
編成局長 井上 康
広報局長 狐﨑 浩子
広報局次長兼広報・IR部長 澤田 寛人