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【プロ野球】

星野監督ムスッ 楽天勝率5割へ

2011年5月7日 紙面から

◇西武2−0楽天

 新人完封一番乗りの快投を演じた牧田が、ナインとハイタッチを交わしながら快感に酔っていた。「自分のプロ初勝利よりもチームが勝つために何をするべきかを考えました」。変幻自在のテクニックを駆使した右腕の集中力は、最後まで途切れなかった。

 多彩な球種を低めに集めた。エース田中との対戦でも気合で負けない。見せ場は終盤に訪れた。2点差の7回1死満塁で中谷を見逃し三振、内村を投ゴロ。直球で3打席連続三振に葬った4番山崎は、1発同点の8回2死二塁で二飛に仕留めた。前回まで3度先発して好投も報われず我慢を強いられたが、この日も2点だけの援護の中で耐え抜いた。

 「僕が0で抑えようと思いました。7回満塁のピンチはプロの洗礼。絶対に勝とうと思って投げた」

 タフな精神力は誰にも負けない。「いい意味で開き直れる。あのとき野球をあきらめようとした故障が自分の心の中も変えた」。3年前の08年8月、社会人・日本通運で右足靱帯(じんたい)断裂の重症を負った。その大きな挫折が転機になり牧田の野球に懸ける思いを一変させた。

 翌年は投げることができず「この大けがで自分のモチベーションが一変した。投手として生まれ変われたと思う」。それが追い込まれても動じない平常心の根底にある。9回を投げ抜いて6安打無失点。プロ初勝利を完封で飾る128球の熱投だった。肝っ玉ルーキーが“4度目の正直”で輝いた。 (梶原昌弥)

 全身に怒りが満ちあふれていた。本拠地・Kスタ宮城での初ナイターが今季2度目の零封負けに終わった楽天。試合後の星野監督は報道陣が待つ会見場を一べつもせず、クラブハウスへ向かった。歓喜の仙台初勝利を挙げたちょうど1週間前とは対照的な夜となった。

 闘将の心を波立たせたことがもう一つある。星野監督が絶対の信頼を置いている選手会長・嶋の負傷退場だ。3回1死二塁からの片岡が放った左前打で二塁走者の大島が本塁へ突入。外野からの返球を捕った嶋はブロックしたのだが、大島と交錯。アウトにはしたが、左すねを痛めて立ち上がれない嶋。闘将は苦渋の表情で、中谷への交代を告げるしかなかった。

 仙台市内の病院で検査をした嶋に下された診断は「脛骨(けいこつ)筋の打撲」。Kスタに戻ってきた嶋は歩きながら「大丈夫。明日もいけます」と軽症を強調。田淵ヘッド兼打撃コーチも「靱帯(じんたい)などではなくてよかった」と胸をなで下ろした。

 この1敗で、勝率は5割へ。後味の悪さは否めないが、やられたらやり返せというのが、闘将イズム。嶋も「いかなきゃダメでしょう。この状況なら」と“底力”を出すことを誓った。

 7日は多くの楽天ファンが詰め掛けるはず。2日連続でぶざまな姿は見せられない。 (川越亮太)

 

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