「元気で」と激励　両陛下が釜石、宮古両市の避難所訪問

避難所を訪れ、被災者に声を掛けられる天皇陛下（代表撮影）

　被災地お見舞いで岩手県入りした天皇、皇后両陛下は６日、ヘリコプターで津波被害の状況を見ながら、釜石、宮古両市の避難所を訪問された。「お体はどうですか」「元気でね」と被災者を励ました。

　約１００人が暮らす釜石市立釜石中学校。営む理容店が津波で全壊した松田節子さん（７４）と息子の利喜さん（４９）に、天皇陛下は「今後はどうされるのですか」と尋ねた。

　２人は５月中に仮店舗で営業を再開する予定。利喜さんは「新しいまちづくりの方向が見えず、元の場所に戻れるかどうかが心配ですが、声を掛けていただいたので頑張りたい」と語った。

　会話中に余震があり、節子さんは思わず皇后さまの手を握った。皇后さまは「大丈夫ですよ」と手を重ねた。

　約１２０人が避難する宮古市民総合体育館では、山田町の佐々木文子さん（３９）が震災で亡くした母親（６９）の写真を見せた。天皇陛下は「本当に残念なことでしたね」と気遣い、皇后さまは写真を手に取って「寂しいですね」とうなずいた。

　両陛下は６日夜、花巻空港から自衛隊機で帰京した。１１日には福島県の被災地を訪れる。

（2011年5月6日21時16分  スポーツ報知）

ソーシャルブックマークに登録