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「花と蛇」などの官能小説で知られる作家・団鬼六(だん・おにろく、本名・黒岩幸彦=くろいわ・ゆきひこ)さんが6日午後2時6分、胸部食道がんのため、東京都内の病院で死去した。79歳だった。葬儀・告別式の日取りは未定。喪主は長男・黒岩秀行(くろいわ・ひでゆき)氏が務める。
「SM」の元祖ともいえる無頼の作家が79年の生涯を終えた。
昨年1月に食道がんを告知された団さんは、同年4月に「小説新潮」誌上で病を公表。「生を満喫するため」手術を拒否し、放射線治療を選択。闘病生活を続けていた。
過去に脳梗塞や腎不全を患った団さん。今回も病に伏せながら執筆活動を続け、昨年末には忘年会を開催。今年4月上旬には友人ら約60人を恒例の花見に誘った。ただ、送付した案内状には「この花見が最後になると思います」と記されていた。
当日、無理をして一時退院した団さんは酸素吸入器を付けたまま花見に参加。屋形船を貸し切り、隅田川下りを楽しんだが、数日後に再入院した。病室では、周囲に「これでもう最後や」と繰り返していたというが、4月下旬に見舞いに訪れた友人とは、大騒ぎをしてサイコロゲームに興じるなど、元気な様子も見せていたという。
波乱の人生だった。滋賀県彦根市生まれ。関西学院大卒業後、英語教師となるが、1957年、相場師だった父親を題材にした「親子丼」が文芸春秋オール新人杯で入選。純文学を書きながらバー経営に手を出すが失敗、ポルノ小説を書き始めた。
60年代、雑誌「奇譚クラブ」に連載した「花と蛇」が話題を呼び、未開拓だったSM小説の第一人者に。谷ナオミさん(62)や杉本彩(42)、小向美奈子(25)の主演で映画化もされた。その他の代表作に「夕顔夫人」「不貞の季節」。89年に断筆宣言したが、95年に復帰した。
アマ六段の将棋好きとしても知られ、90年代には、経営悪化した専門雑誌「将棋ジャーナル」を立て直すため、自宅を売却して再建の資金に充て、社主を務めた。現在も「将棋世界」で「鬼六おぼろ談義」を連載していたが、今月2日発売の最新号は休載していた。
作家・大崎善生さん(元「将棋世界」編集長)「とてつもなくすごい方。胆力のある方でした。実はエロスからは程遠い紳士。(今月22日発売の『小説新潮』から連載する団さんの)評伝の第1回、第2回だけは読んでいただきましたが『自分でも知らんことをよう調べてるな』と喜んでいただきました。時間がたてばたつほど、いろんな人が再評価する方になると思います」
元女流棋士・林葉直子さん「若い頃、よく将棋を指させていただきました。20歳の時、個人的な成人式を開いていただいたことを覚えています。着物を着てご自宅まで伺って、とっても楽しかった。私も官能小説を書きましたけど、先生の『花と蛇』は将棋でいえば名人。書き方を教わる夢がかなわなかったのが残念です」
(2011年5月7日06時02分 スポーツ報知)
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