- [PR]
[事件]ニュース
【放射線 正しく怖がるために】(上)“場当たり的”政府説明に募る住民不安
2011.5.7 08:00
(1/3ページ)
校庭に児童たちの姿はなかった。目につくのは、入り口に設けられた鉄柵と「こうていであそばない」という張り紙。片隅には土が小高く積まれ、ブルーシートで覆われていた。
東京電力福島第1原発から約60キロ離れた福島県郡山市の市立薫(かおる)小学校では4月11日から児童らが校庭を利用できなくなった。同月7日、校庭で毎時4・5マイクロシーベルトという高い数値の放射線量が検出されたためだ。
政府は「屋外活動を1日1時間程度に抑えれば問題ない」との見解を示したが、市は利用の自粛を決定。同月27日には独自に汚染された校庭の表土を除去した。その結果、校庭の線量は下がったものの、除去した土は野積みになったまま。国に基準がないため、処分することもできない。市内では計28カ所の保育所と小中学校の校庭が利用できなくなっている。
北海道大の石川正純教授(医学物理・放射線治療)は「子供たちが放射性物質を含んだ砂ぼこりを吸い込むリスクを考えないといけない」と話し、国が土壌処理の方法に関する基準を策定していないことを問題視している。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]