2011年5月7日1時58分
国際原子力機関(IAEA)は5日、ウィーンの本部で記者会見し、福島第一原発事故で海に流れ出た放射性物質が、2年以内に北米大陸の西海岸まで到達するとの見通しを示した。
福島第一原発近くの海にたまっている高濃度の放射能汚染水について、東京電力は特殊なフェンスで外洋への流出を抑えようとしている。IAEAの専門家は「一定の効果がある」とした上で、これまでに流出した放射性セシウムなど放射性物質は「黒潮に流されて1〜2年のうちにカナダか米カリフォルニアの海岸部で観測される」と予測。ただし「とても低いレベルで問題はない」とした。
また、フローリー事務次長は、福島第一原発事故の調査団について「日程など詳細は日本側と調整中」としたが、IAEA関係筋は「5月中旬にも派遣される」との見通しを示した。福島第一原発だけでなく、東日本大震災の被害を受けた福島第二原発や女川原発(宮城県)も調査対象となる見通しだ。(ウィーン=玉川透)