IAEA=国際原子力機関は、東京電力福島第一原子力発電所の事故で海に流れ出た高濃度の放射性物質に汚染された水が、海流に乗って、早ければ来年にもアメリカ西海岸沖に到達するという見方を示しました。
IAEAは5日、オーストリアのウィーンで、加盟国に福島第一原発の事故の状況を説明する会合を開きました。この中で、IAEA側は、海に流れ出た汚染水に含まれる放射性物質の濃度など、日本側から提供されたデータや海流の状況などを分析した結果、汚染水が黒潮の流れに乗って太平洋に広がり、早ければ来年にもアメリカ西海岸沖に到達するという見方を示しました。また、太平洋では今後2年から3年にわたって放射性のセシウムが検出されるという見方を示した一方で、検出される値は僅かで、人体への影響はないと強調しました。一方、東京電力が先月発表した事故の収束に向けた工程表について、IAEAのフローリー事務次長は、記者会見で「東京電力が全力を傾けて練り上げたもので、よい計画だ。今後の作業の進展を注視していく」と述べ、評価する考えを示しました。