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'11/5/6

「生肉想定ない」と卸業者 午後、焼き肉チェーンなど捜索

 富山、福井両県の焼き肉チェーン店「焼肉酒家やきにくざかやえびす」で食事した客4人が死亡し、神奈川県を含めた21人が重症となっている集団食中毒で、店に生肉を販売した東京都板橋区の食肉卸業者が、区の保健所に「生食用としては出していない。生食として食べることを想定していない」と説明していたことが6日、同区への取材で分かった。

 富山、福井両県警の合同捜査本部は6日午後、業務上過失致死傷容疑で運営会社「フーズ・フォーラス」(金沢市)の本社や店舗、牛肉を販売した板橋区の食肉卸業者などを一斉に家宅捜索する。資料などを押収し、安全管理体制に問題がなかったか詳しく調べる。

 板橋区生活衛生課によると、区保健所が4月28日と30日、卸業者に立ち入り、説明を受けた。その際、区は包丁やまな板などのふき取り検査や倉庫にあったほかの肉についても検査したが、食中毒菌は検出されなかった。

 卸された食肉に「生食用」との表示はなく、生食用と誤認されるような説明についても、卸業者は「言っていない」としたという。

 富山、福井両県などによると、同チェーンの砺波店(富山県砺波市)と福井渕店(福井市)でユッケなどを食べた6歳の男児や40代の女性ら客4人が死亡、うち3人から腸管出血性大腸菌O111が検出された。

 神奈川県の店舗の客からも食中毒症状の訴えが相次ぎ、これまでに神奈川、富山両県で34人が入院している。



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