幽霊都市と化した再開発地区「ルワンシティ」(上)

ルワンシティ、開発中断で今では廃墟に

安相洙・前仁川市長の無謀な計画

 今月4日、ソウルから車で仁川市に向けて出発し、同市の再開発地区の取材に向かった。京仁高速道路西仁川インターチェンジを出ると、すぐ右にガソリンスタンドが姿を現したが、その価格表示に目を疑った。「レギュラー1558ウォン(約116円)」「軽油1448ウォン(約108円)」と表示されていたのだが、よく見るとスタンドはかなり以前から営業していない様子だった。佳亭ロータリー周辺の往復4-6車線の道路沿いは、ずいぶん長く時間が止まっているようだ。道路の左右にある大小さまざまな建物の中にも、人影は見られなかった。窓ガラスが割れ、出入口のドアがぶら下がっている建物の中には、捨てられたままの食器・家具やゴミが散らばっていた。どの建物も、外壁には赤いスプレーで「立入禁止」「撤去予定」「空き家」などと大きく書かれていた。

 この地域は、仁川市と韓国土地住宅公社(LH)が韓国のラ・デファンス(フランス・パリ近郊の都市再開発地区)を目指すとして開発を進める「ルワンシティ(Lu 1 City)」だ。ルワンとは「世界最高の楼(ル)」を意味しており、敷地は仁川市西区佳亭ロータリー周辺で、広さはおよそ97万平方メートルだ。

 1兆6000億ウォン(約1200億円)以上に上る土地と建物に対する補償は、全額をLHが調達し、すでに支払いも終えた。これにはもちろん国民の税金が投入されている。計画通りであれば、2009年末から撤去が開始され、すでに工事が始まっているはずだった。しかし、補償を全額支払ったにも関わらず、工事は1年以上にわたり中断しており、現場は「幽霊都市」へと転落してしまった。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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