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Q アルコール依存症が心配
避難所生活のストレスでアルコール依存症になる人が増えるのでしょうか。予防のためにできることはありますか。
A 避難所で飲酒、やめよう
阪神大震災の時、兵庫県立精神保健福祉センターの医師として、精神科救護所や心のケアセンターの活動に従事しました。
災害や避難生活の結果として、アルコール依存症が増えるわけではありません。アルコール依存症はありふれた病気ですから、大災害になれば依存症の人も大勢被災します。避難所や仮設住宅で生活するようになり、多量飲酒や肝障害などの病気、
震災のために生活が大きく変化し、それが引き金となって飲酒パターンも変わる人は多いでしょう。震災後に、飲む量が増えた人、毎日飲むようになった人などは要注意です。それが、潜在していたアルコール依存症の兆候であるかもしれません。問題を感じていても、飲酒をやめたり減らしたりすることが難しいなら、医療機関で相談されることをお勧めします。
飲酒量は多くはないが、不眠や抑うつへの対処法として酒を飲むというパターンもあります。この場合、アルコールは治療薬としては欠点が多く、お勧めできません。やはり専門家に相談して適切なアドバイスを受ける方がいいでしょう。
「こんな時には酒でストレスを解消した方がいいのでは」とか「酒に頼りたくなる気持ちもよくわかる」と感じる方もおられるでしょう。問題なく酒でストレスを解消できる人も多いのですが、その一方で、飲酒することで多くのものを失う人もいます。善意から出た共感が、有害な飲酒を促進することもあるのです。
救援物資や見舞い品に酒が含まれていることもありますが、誰に届くかわからないものに酒は禁物です。避難所や仮設住宅での支援活動は酒なしにした方がいいでしょうし、大勢が一緒に生活する避難所も禁酒にしていただけたらと思います。
(神戸市西区、復光会垂水病院医師、麻生克郎さん)
(2011年5月3日 読売新聞)
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