4日にアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の杭州緑城(中国)戦に勝ち、決勝トーナメント進出を決めた名古屋グランパスは5日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで練習、7日の清水戦(瑞穂陸)に備えた。MFダニルソン(24)が右足甲の骨折後、初めて全体練習に完全合流。清水戦のメンバー入りに大きく前進した。
ダニルソンは終始明るい表情だった。中央後方からのロングキックで、右サイドを上がるDF松尾をピンポイントでとらえた。クロスからのシュートにはタイミングが合わない場面もあったが、強烈な左足のシュートは健在。右足甲を骨折し、2月4日に手術を受けてから初めて練習にフルメニューで合流。自然と喜びがあふれた。
杭州戦はスタンド観戦、1次リーグ突破を決めたチームメートを笑顔で出迎え、祝福した。守備を固めた相手になかなか点を取れなかったチームを「もう少し動きが必要かな」と心配した。しかしそれ以上に、国際試合を戦う仲間の姿を見て「早く試合に戻りたい」と願う気持ちが一層強くなった。
チームは4日の杭州戦から中2日で清水戦、長距離移動を経て中3日でACLのアルアイン(UAE)戦、帰国後中3日で甲府戦と続く過酷なスケジュールの真っただ中にある。長期離脱中のMFブルザノビッチに加え、4月末にFWケネディ、DF闘莉王、MF吉村が次々と負傷。ダニルソンの復帰はチームにとっても心強い材料だ。
「選手はたとえ状態が良くなくても、モチベーションは常に100%でないといけない」。術後の3カ月間はリハビリに努めた。練習復帰後、即実戦は厳しいかもしれない。それでも体調は100%でなくても、ダニルソンのモチベーションはマックスまで上がっている。
「早くチームメートと一緒に試合をして、勝利を分かち合いたい」。メンバーを決めるのはストイコビッチ監督だが、精神面での準備は整っている。「もしメンバーに選んでもらえたら出場したい」。全治3カ月の大けがから、清水戦での復帰が現実味を帯びてきた。 (伊東朋子)
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