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年50ミリシーベルト上限撤廃へ 厚労省が特例措置 2011年04月28日

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福島第1原発。左から4号機、3号機、2号機、1号機=10日午前11時、共同通信社ヘリから(30キロ以上離れて撮影)
 厚生労働省は27日、通常時は年間50ミリシーベルトと定めている原発作業員の被ばく線量の上限を当面の間、撤廃する方針を固めた。5年間で100ミリシーベルトの基準は維持する。原発作業に従事できるのは全国で7万人余りしかいない。各地から福島第1原発への派遣が相次ぐ中、規定の被ばく線量を超えると、ほかの原発の保守や定期点検に支障が出かねないとして、経済産業省が厚労省に特例的な措置を要請していた。

 しかし、この措置は、過酷な環境下で働く作業員の安全を軽視しているとの批判も出そうだ。

 厚労省は3月15日に省令で、福島の事故の応急対策に限定して緊急時の被ばく線量を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げていたが、通常時の基準は変えていなかった。

 米国も、緊急時の線量上限を民間人で100ミリシーベルト、通常時は年間50ミリシーベルト、5年間で100ミリシーベルトとしている。

 東電によると、福島で作業した30人が100ミリシーベルトを超えた。50ミリシーベルトを超えると、ほかの原発で働くことができなくなるため、多くは東電の協力企業側が線量を管理しているという。

 こうした事態に、経産省は電離放射線障害防止規則で定められた「通常年間50ミリシーベルト、5年間で100ミリシーベルト」の基準を緩和するよう厚労省に要請。しかし、厚労省は「100ミリシーベルトを超えると白血病やがんの発生リスクが高まるという医学的な知見もある」として、5年間で100ミリシーベルトの基準は維持することにした。(共同)




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