2011年3月15日 23時11分 更新:3月16日 7時39分
東日本大震災で被災し、15日に爆発のあった東京電力福島第1原発4号機原子炉建屋(たてや)の外壁に8メートル四方の穴が2カ所開いていたと経済産業省原子力安全・保安院が発表した。保安院によると、1~3号機については注水が継続している。2、3号機では、約4メートルある燃料棒が水面から半分程度露出する状態が続いているとみられ、いずれも予断を許さない状況だ。
4号機は被災時に定期点検中で、原子炉圧力容器内に燃料棒は入っていなかった。しかし、建屋の壁に開いた穴の近くには、燃料集合体548体を冷やすために貯蔵したプール(深さ約10メートル)があり、ふたがないままさらされた状態となっている。沸騰、蒸発して水がなくなると、燃料棒が損傷して放射性物質がそのまま大気に放出される恐れがある。
また、3号機近くで一般の人の年間被ばく限度を大幅に上回る1時間あたり400ミリシーベルトの放射線量が検出されたことについて東電は、3号機に隣接し、爆発で破損した4号機の原子炉建屋のがれきが原因だったと発表した。
防衛省は同日夜、4号機に対し、核分裂を抑えるホウ酸入りの冷却水を自衛隊ヘリで上空から投下する準備を整えていることを明らかにした。【酒造唯、八田浩輔、足立旬子、犬飼直幸】