東日本大震災:犠牲者各地で 牡鹿半島に遺体1000体

2011年3月14日 20時48分 更新:3月14日 23時27分

 東日本大震災の被災地では、さらに新たな被害が判明している。

 岩手県によると、県内では少なくとも8市町村の40カ所で計2266人(14日午後7時半現在)が孤立。人工透析が必要な患者がいる所や周辺に火災が迫っている場所もあり、救出を急いでいる。

 孤立した被災者は陸前高田市の介護施設で350人▽山田町の大浦、田ノ浜地区でそれぞれ300人▽大船渡市の蛸ノ浦地区で250人--など。大船渡市には、米英中3カ国の援助隊が入り、救助活動を始めた。

 宮城県警の竹内直人本部長は14日、県災害対策本部会議で、石巻市の牡鹿半島の浜に打ち上げられた遺体が、合計で1000体を超える見通しを示した。同半島に多数ある浜にそれぞれ100体程度の遺体が流れ着いている状態という。

 福島県では、津波被害の大きかった南相馬や相馬、いわきの各市の被害がさらに拡大する見込み。県は計1560戸以上の応急仮設住宅を建築するよう関係業界に求めた。

 14日午後2時50分ごろには、南相馬市原町区金沢の東北電力原町火力発電所のタンク付近から出火。一時、大きな炎と黒煙が上がったが、消火活動で同5時過ぎに鎮火した。

 同社福島支店によると、東日本大震災で重油と軽油のタンク計4基(計2万1400キロリットル)が倒壊。タンクから漏れ出した油が何らかの原因で発火したとみられる。設備の被害を調査中だった発電所の職員らは避難し、けがはなかった。同発電所は地震で損傷し、操業を停止していた。

 JR東日本は14日、東北新幹線の被害状況を発表した。電柱の破損が約250カ所、架線の断線が約200カ所。特に被害が大きいのは、仙台駅構内の橋げたのずれや郡山駅の高架橋の柱の損傷という。04年の新潟県中越地震で起きたトンネル崩落など大規模被害はなかった。

 だが、被害地域が大宮-八戸間と広範囲で、道路状況が悪く工事資材搬入に時間がかかることが予想され、全線再開の見通しは立っていない。被害の軽い東京-那須塩原間は15日に再開する見込み。

 文部科学省は14日午後1時時点で、岩手、宮城両県で児童生徒と教員計11人の死亡が確認されたと発表した。死亡が確認されたのは岩手県大船渡市の児童1人▽同県釜石市の生徒1人▽宮城県南三陸町の児童1人、生徒1人、教員1人▽同県七ケ浜町の生徒1人▽同県東松島市の児童4人、生徒1人。また岩手県で児童生徒、教職員の336人、宮城県で19人が行方不明になっている。

 一方、14日午前、福島県から青森県にかけての太平洋沿岸で津波のような潮位変動を見たとの複数の情報があった。しかし、気象庁は横山博文地震津波監視課長が会見し、「青森県むつ市などの巨大津波計で津波は観測されず、津波を発生させるような地震も発生していない」とした。

 東日本大震災の影響で、東北地方太平洋側の観測機器の大部分が潮位変化を観測できない状態で、第2管区海上保安本部に目視などの情報提供を依頼しているが、同本部から仙台管区気象台に「津波は確認していない」と連絡が入ったという。

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