東日本大震災:福島第1原発2号機の冷却機能が喪失

2011年3月14日 16時24分 更新:3月14日 17時31分

福島第1原発2号機(右)。左は1号機
福島第1原発2号機(右)。左は1号機

 東京電力は14日午後、東日本大地震で緊急停止した福島第1原発2号機の冷却機能が喪失したと判断、原子力災害対策特別措置法に基づいて国に「原子力緊急事態宣言」を求めた。原子炉隔離時冷却系(RCIC)と呼ばれる冷却機能が同1時25分に停止し、原子炉内に冷却水を送り込むことができなくなったという。このままでは炉心部の過熱が進み、1、3号機と同様に炉心溶融の危険がある。

 東電によると、原子炉内の冷却水の水位は直前の同1時24分、燃料棒の上部2.4メートルまで満たしていたが、午後3時には上部1.2メートルまで水位が低下した。

 冷却機能の喪失を受け、東電は1、3号機で相次いで発生した「水素爆発」を避ける対策の検討を始めた。同日中にも2号機の原子炉建屋上部に穴を開ける。同4時34分、冷却のため海水を入れる準備を始めた。

 冷却が不十分で燃料が過熱し、燃料棒を覆う管が溶けると、冷却水と反応して水素が生じ、建屋内にたまって爆発を招く恐れがある。処置が遅れて水素がたまり続ければ、穴を開ける作業によって外気が流れ込み、爆発を招く危険性が高まることから、早めに予防策を講じる方針だ。【山田大輔、藤野基文】

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