2011年3月14日 11時42分 更新:3月14日 13時23分
東日本大震災の発生から3日が経過した被災地では、甚大な被害の様子が次第に明らかになっている。
各都道県などによると、都道県別の死者は岩手531人▽宮城1979~2079人▽福島420人▽茨城19人▽千葉14人▽東京7人▽栃木4人▽青森、神奈川3人▽北海道、山形、群馬1人。12県の約2500カ所に計約45万人が避難している。県別の避難者は宮城約22万人▽福島約10万人▽茨城約6万2000人▽岩手約4万7000人▽青森約2500人▽千葉約1700人--など。
宮城県災害対策本部は14日、津波被害で壊滅状態になった南三陸町で1000体程度の遺体を確認したことを明らかにした。同町の人口は約1万7000人で、津波後約1万人の安否が不明になっている。県は町から遺体を土葬したいとの要望を受けたという。ただ、県警側は遺体を検視する立場を崩しておらず、県は国側と調整する方針。
岩手県東部の山田町では、少なくとも60人以上の死者が出たとみられている。町によると、町内にある7地区のうち5地区で壊滅に近い被害が出ており、行方不明者数は多数に上るため把握できない状況だ。同県野田村でも、行方不明者が多数出ている。
地震で孤立した人たちの救助も続いている。岩手県大船渡市ではスーパーの屋上に53人、ホテルに15~30人、旅館に6人が取り残されたが、14日までに救助が完了した。防衛省によると、海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が、石巻港の岩壁付近で32人を救助した。
千葉県市原市では11日の地震発生後、石油コンビナートで火災が発生し、水素タンクが爆発するなどして大規模に燃え広がった。陸上と消防艇による海上からの消火作業を続けた結果、14日午前6時半、出火から3日ぶりに鎮火した。
一方、14日午前、福島県から青森県にかけての太平洋沿岸で津波のような潮位変動を見たとの複数の情報があった。しかし、気象庁は横山博文地震津波監視課長が会見し、「青森県むつ市や茨城県大洗町に設置している巨大津波計では津波は観測されておらず、津波を発生させるような地震も発生していない」と説明した。揺れは感じなくても津波を起こす可能性があるゆっくりした揺れの津波地震の発生も確認していないという。
東日本大震災の影響で、東北地方太平洋側に設置した観測機器の大部分が潮位変化を観測できない状態が続いており、第2管区海上保安本部に目視などの情報提供を依頼しているが、同本部から仙台管区気象台に「津波は確認していない」と連絡が入ったという。