【ワシントン時事】カーニー米大統領報道官は3日の記者会見で、国際テロ組織アルカイダのウサマ・ビンラディン容疑者宅への急襲作戦で、米軍部隊が同容疑者の部屋に突入した際、同容疑者は武装しておらず、丸腰で抵抗した末に射殺されたことを明らかにした。共にいた夫人はこれに先立って隊員に飛び掛かり、脚を撃たれてけがをしたという。
米政府は、ビンラディン容疑者の「生け捕り」を目指したとの立場を取っているが、非武装の同容疑者を射殺したことで、批判が高まる可能性もある。同報道官は、激しい抵抗があったと話したものの、詳細は明らかにしなかった。
同報道官によると、ヘリコプター2機で敷地内に侵入した米部隊は二手に分かれ、2棟の建物内をくまなく捜索。1チームは、邸宅の1階でアルカイダの使者2人を射殺した。この際、女性1人も交戦に巻き込まれて死亡した。同チームはこの後、2、3階へ進み、ビンラディン容疑者家族を発見したという。
ビンラディン容疑者の部屋では、夫人が隊員に向かって突進し、脚を撃たれた後、同容疑者が射殺された。約40分間にわたった作戦中、銃撃戦が絶え間なく続いたという。邸宅には2家族が居住、別の建物にも、もう1家族が住んでいた。
作戦後、非戦闘員の住人を安全な場所に移す一方、機体の不具合で墜落したヘリ1機を爆破処理。もう1機でビンラディン容疑者の遺体を北アラビア海上の空母カールビンソンに搬送し、同艦上でイスラム教のしきたりに倣った水葬を営んだという。