2011年3月13日 20時5分 更新:3月13日 22時32分
菅直人首相は13日夜、首相官邸で記者会見し、東日本大震災について「戦後65年間経過した中で最も厳しい危機だ。果たして、この危機を私たち日本人が乗り越えていくことができるかどうか。一人一人、すべての日本人に問われている」と述べ、国民挙げて震災対応に取り組むよう訴えた。巨大地震と大津波に原発被害も加わり、首都圏を含む東日本全域の計画停電という非常事態に追い込まれ、国民に「覚悟」を求めるメッセージを出した。
これに先立ち、菅首相は13日午前の第7回緊急災害対策本部会議で「復興などの問題に話が進むことは当然だが、直接的には命を救うことを、3日目の最優先課題としていただきたい」と述べ、被災者の救出を優先する考えを強調。北沢俊美防衛相に対し、自衛隊の派遣態勢を「5万人」から、過去最大規模の「10万人」に増強するよう指示した。
防衛省によると、陸上自衛隊3万人、海上・航空自衛隊1万人の計4万人が捜索・救助活動を実施しているが、加えて医療や復旧活動が必要となるため、施設部隊など2万人の追加派遣を準備。各部隊に燃料や食料を輸送する後方部隊、司令部要員を含めると10万人態勢になると見込む。95年の阪神大震災で派遣された5万~6万人を上回る最大規模だ。
自衛隊の「首都直下地震対処計画」は最大で陸自部隊約11万人を被災地に集中させる想定となっており、10万人態勢はこれに匹敵。全国の自衛隊約23万人の半数近くが、東日本大震災の関連活動に従事することになる。
被災地では食料や飲み物が不足していることから、自衛隊が上空から被災者に投下する救援活動も検討している。
政府はこのほか、被災者への救援策として、運転免許証の有効期限などを延長する「特定非常災害」に指定。今後の復興へ向け、復旧事業の国庫補助率をかさ上げする「激甚災害」に指定することも決定した。【鈴木直、犬飼直幸】