事件【東日本大震災】沖縄、米軍への共感じわり 地元紙は「普天間問題に利用」主張+(1/3ページ)(2011.4.7 00:36

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【東日本大震災】
沖縄、米軍への共感じわり 地元紙は「普天間問題に利用」主張

2011.4.7 00:36 (1/3ページ)
米軍海兵隊が宮城県気仙沼市大島でのがれき撤去作業を6日で終了。島を離れる前に上陸用舟艇(LCU)に乗り込む隊員らに、住民がハイタッチするなどして感謝を表した=6日午後、宮城県気仙沼市(大西史朗撮影)

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米軍海兵隊が宮城県気仙沼市大島でのがれき撤去作業を6日で終了。島を離れる前に上陸用舟艇(LCU)に乗り込む隊員らに、住民がハイタッチするなどして感謝を表した=6日午後、宮城県気仙沼市(大西史朗撮影)

 東日本大震災で在日米軍による大規模救援活動が続く中、米軍普天間飛行場の移設問題を抱える沖縄県で米軍海兵隊員らに共感する声がじわりと広がっている。ところが、地元メディアは海兵隊員らの救援活動の実態を詳細に伝える記事や写真を掲載せず、活動結果が「政治利用されかねない」という“旧態依然”の主張を展開している。(宮本雅史)

 沖縄県民は当初、米軍の救援活動に懐疑的だったが、その後、民放各局や県外紙が在沖海兵隊が自衛隊と協力して支援活動を展開する姿をリアルタイムに伝えたため、実態を知り、海兵隊に対する共感の輪が広がり始めた。

 名護市辺野古のキャンプ・シュワブ近隣に住む自営業者(63)は「若い海兵隊が物資を届けると言って出動していった。何十年も海兵隊と付き合っているが、改めて頼りになると感じた」と話した。

 那覇市のあるホテル幹部(45)も「他国で起きた震災の支援に奔走している姿を見て、沖縄に駐留していてよかったと実感した。今回の震災で紛争解決だけでなく、天災対応も含めた新しい日米安保の必要性を感じた。米軍基地を抱えている沖縄から新しい防衛論を発信すべきだ」と語気を強める。

 海兵隊や自衛隊の支援活動が、沖縄県民の意識を変えさせようとしているといえるが、地元紙の論調は正反対の様相となっている。

 大震災から間もなく1カ月がたつが、「琉球新報」と「沖縄タイムス」はこれまで、在沖海兵隊の支援活動内容を詳細には伝えていない。

 5日現在、掲載された米軍の写真は「新報」が3枚で「タイムス」は2枚。実際に支援活動をしている海兵隊の写真は1枚も掲載されていない。

 一方で、「新報」は3月17日付朝刊で、「在沖海兵隊が震災支援 普天間の有用性強調 県内移設理解狙い 不謹慎批判上がる」との見出しで、在日米軍が普天間飛行場の地理的優位性や在沖海兵隊の存在感などをアピールしているとした上で、「援助活動を利用し、県内移設への理解を日本国内で深めようとする姿勢が色濃くにじむ」と主張した。

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米軍海兵隊が宮城県気仙沼市大島でのがれき撤去作業を6日で終了。島を離れる前に上陸用舟艇(LCU)に乗り込む隊員らに、住民がハイタッチするなどして感謝を表した=6日午後、宮城県気仙沼市(大西史朗撮影)
撤去作業をした浦の浜港を離れ、上陸用舟艇(LCU)発着場に向かう隊員=6日午後、宮城県気仙沼市(大西史朗撮影)

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