地震:国内初「炉心溶融」か セシウムを検出 福島原発

2011年3月12日 14時20分 更新:3月12日 16時23分

福島第1原子力発電所=福島県大熊町で2003年8月、本社ヘリから川田雅浩撮影
福島第1原子力発電所=福島県大熊町で2003年8月、本社ヘリから川田雅浩撮影
福島第1原発1号機の原子炉内の圧力を下げる仕組み
福島第1原発1号機の原子炉内の圧力を下げる仕組み

 経済産業省原子力安全・保安院は12日、東京電力福島第1原子力発電所1号機(福島県)で、燃料棒が損傷する「炉心溶融」が国内で初めて起こった可能性を明らかにした。同原発の周辺監視区域での放射性物質の測定で、セシウムが検出され、燃料棒が溶けているとみられる。保安院は「燃料棒の被覆管が一部溶融しているとみられる」とみているが、現在、同原発から半径10キロ以内に設定した避難地域を拡大する必要はないとしている。

 同原発1号機では、東北沖大地震発生後から原子炉圧力容器内の水位が下がり、燃料棒が次第に露出し始めた。消防車が大量の水を供給しているが水位の低下は止まらず、現在では最大170センチまで露出している。その結果、燃料自体の熱が上がり、包んでいる金属が溶けると、ウランが核分裂した後に生成されるセシウムが検出される。

 炉心溶融は、想定される原発事故の中でも最悪の事態で、外部に放射能をまき散らす恐れもある。圧力容器を覆っている格納容器内機能を維持するため、弁を開いて炉内の圧力を下げる作業を続けた。その結果、蒸気を外部に放出することに成功、格納容器内の圧力は下がったとみられる。

 これまでに2万1000リットルを注水しており、今後電源の回復を急ぎ、さらに多くの量の水を供給する。格納容器内の圧力は7.54気圧と安定している。

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