カトリックの総本山、バチカン。世界で最も小さな国家だが、最も神聖な宗教国家だ。そんな権威あるバチカンが今週、会議を開催した。「悪魔崇拝(サタニズム)」の対策について、聖職者、精神心理学者、医者、教師らが意見交換を行ったのだ。
悪魔崇拝とは、諸説あるものの、一般的には「悪魔を信奉し悪の力による世界支配を信じること」とされる。最近ではインターネットの普及により、サタニズム思想やカルト教団のサイトに容易にアクセスできる。そのため、精神的に未熟な若者を中心に急速な広まりを見せ、犯罪の増加、精神的荒廃につながっているとして、バチカンはこの事態を深刻に受け止めている。
心配なのは、それだけではない。近年、各国のカトリック教会で性的虐待事件が相次いだが、それらはカトリック内部に悪魔崇拝が及んだケースと見ている。すでに「総本山バチカンにも悪魔が入り込み、攻撃がしかけられている」という声すら上がっており、危機的状況なのだ。
2007年、教皇ベネディクト16世は、各司教区にエクソシスト(悪魔祓いの祈祷師)を配置すると宣言。悪魔崇拝に対しては、悪魔祓いによる対決姿勢を示した。しかし、急速に広まる悪魔崇拝のため、エクソシストの需要は今後増え続ける一方で、人員が足りなくなることが予想されている。今回の会議により、その養成がさらに急がれることになりそうだ。
ちなみに、4月9日公開の映画『ザ・ライト エクソシストの真実』は、バチカン公認のエクソシスト養成講座が実在することを明らかにしている。興味のある方は、ぜひお見逃しのないように。
参照元:telegraph(英文)