2011年3月11日 18時58分 更新:3月12日 0時50分
【ブリュッセル福島良典】サルコジ仏大統領は11日、リビアの最高指導者カダフィ大佐がリビア国民に対して化学兵器を使用すれば、英国と共同で限定的な空爆を実施する用意があると警告した。欧州連合(EU)は同日、ブリュッセルで特別首脳会議を開き、リビア情勢への対応を協議した。カダフィ大佐に即時退陣を求め、反体制派と対話を続ける方針を打ち出す。
英仏が想定する軍事作戦は、カダフィ政権の空爆から反体制派を守る「飛行禁止空域」の設定などで、国連安保理決議や地域諸国の支持が条件。だが、他の加盟国はEUとしての軍事行動には慎重姿勢を示している。代わりに首脳会議は、避難民救援などの人道支援や対リビア武器禁輸の順守を監視する活動に「軍事的手段」を活用する方針を打ち出す。
フランスは反体制派組織「国民評議会」の承認を促しているが、他の加盟国からは異論も出ている。首脳会議の宣言草案は「リビア新当局と話し合う」と反体制派との対話継続姿勢を示している。
EU議長国ハンガリーのマルトニ外相は11日、リビアの石油・天然ガスの製造・輸出企業の欧州にある資産を凍結する可能性を示唆した。EUは同日、政府系ファンド「リビア投資庁」や中央銀行など5法人の資産凍結を正式に発動し、カダフィ政権に対する圧力を強めたばかり。