2011年3月11日 11時29分
【カイロ和田浩明】世界最大の産油国サウジアラビアで10日、政治犯の釈放を求めるイスラム教シーア派住民600~800人の大規模デモが発生。治安部隊が鎮圧のため発砲し、AFP通信によると少なくとも3人が負傷した。金曜礼拝で多数の人出が見込まれる11日には、サウジ各地で大規模デモが呼びかけられている。政治参加が厳しく制限されているサウジではデモの発生自体極めて異例。
デモが起きたのは産油地帯でサウジでは少数派のイスラム教シーア派が多い町カティフ。目撃者によるAFP通信への証言によると、平和的な抗議行動に対し、治安部隊が発砲してきたという。
スンニ派が国民の大多数を占め、権限や富が同派の王族に集中するサウジアラビアでは、今月に入り北東部のシーア派住民を中心に反政府デモが発生。事態を重視した治安当局は、デモ禁止の法令を厳格に適用する意向を表明。サウジ外相は9日の会見で、国内が混乱した際の外国の介入を強く拒否した。