2011年3月11日 10時42分 更新:3月11日 12時25分
菅直人首相の資金管理団体が、在日韓国人の男性から06年と09年に計104万円の献金を受け取っていたことが11日、わかった。首相は同日午前の参院決算委員会で、献金受領を認めたうえで、「日本名の方で日本国籍の方だと思っていた。外国籍の方とは全く承知していなかった」と釈明した。これに先立つ閣議後の閣僚懇談会では「これからも精いっぱい頑張っていきたい」と辞任しない考えを示した。
首相は決算委で、献金者について「私が仲人をした知人から数年前に『中学、高校の同期生で不動産関係の仕事をしている人』と紹介された。釣りに誘われて知人と3人で出かけたこともあり、数回会食したこともある」と説明した。首相は献金者の国籍、献金額や受領日時を調査中であるとし、「外国籍であることが確認された時には全額を返金したい」と語った。
外国人からの政治献金を巡っては、前原誠司前外相の関連政治団体が京都府内の在日韓国人の焼き肉店経営者から05年から昨年にかけ、計25万円の献金を受けていたことが発覚。前原氏は6日に「外国人から献金をもらっていた事実は重く受け止めざるを得ない」と外相を辞任した。政治資金規正法は、外国人や外国政府などの外国勢力が日本の政治や選挙に影響を与えることを未然に防ぐため、外国人からの献金を禁止している。
菅首相の資金管理団体「草志会」(東京都武蔵野市)の政治資金収支報告書によると、首相は、横浜市内に住む会社役員の男性から、▽民主党代表代行だった06年9月6日に100万円▽09年3月に2万円▽同8月に1万円▽鳩山政権で副総理兼国家戦略担当相を務めていた同11月に1万円--の4回で計104万円の献金を受け取っていた。
男性の名義は「通名(日本名)」だった。男性は89年5月から08年6月まで、中央商銀信用組合(旧横浜商銀信用組合)の非常勤理事を務めた。民間信用調査機関によると58歳で、パチンコ店を経営している。
男性の横浜市内の自宅にいた家族は11日朝、報道陣に「(男性は)ここにはいない」と話した。【中山裕司、曽田拓】