NATO:リビア飛行禁止空域を用意 軍事介入も視野

2011年3月11日 2時30分

 【ブリュッセル福島良典】北大西洋条約機構(NATO、加盟28カ国)は10日、ブリュッセルで国防相会議を開き、アラブ諸国の支持などを条件にリビア軍の空爆から反体制派を守る「飛行禁止空域」の設定などの作戦立案を急ぐことで合意した。アラブ諸国の地域機構・アラブ連盟は12日に支持を打ち出す見通しで、米英などは国連安保理決議案の採択に向けた道筋を付け、カダフィ政権への圧力を強めたい考えだ。

 ラスムセン事務総長は「必要なら人道支援以外も検討する用意がある」と軍事介入の可能性に言及した。加盟国は地域諸国の支持に加え(1)カダフィ政権による反体制派への無差別空爆や化学兵器の使用などを阻止する「人道的介入」の必要性(2)安保理決議などの明確な法律上の根拠--が整った段階で介入するとの原則で一致した。

 リビア全土上空を飛行禁止にするには空軍力の長期展開と膨大な費用が必要となるため、禁止空域を北部地中海沿岸に限定する案が有力視されている。大規模空爆を避けてアラブ世論の反発を緩和、軍事介入に反対のトルコや、空域設定に慎重なロシア、中国、ドイツなどを説得する狙いもあるとみられる。

 NATOは空中警戒管制機(AWACS)で上空からカダフィ政権の動きを24時間態勢で監視している。01年の米同時多発テロ以降、地中海で対テロ作戦に参加している艦船・航空機を飛行禁止空域の設定に振り向けることもできるが、任務変更が必要になる。

 リビア沖で武器流入などを監視する海上軍事作戦も立案されている。欧州連合(EU、加盟27カ国)も10日、特別外相会議を開き、リビアからの避難民の救援などの人道支援策を協議した。

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