労働市場の開放
テーマ:ブログTPPの主要な目的は、関税の撤廃による輸出の拡大ではなく、労働者の移動を自由にすることにある。
ヨーロッパでは労働者の域内の移動を自由にした。 これは大英断である。 以前は、ドイツ、フランスといった給与水準が他国に比較して高い国への移動は一定の制限が設けられていた。
このような労働市場の自由化は、日本人労働者の給与を下げるという反対意見があるだろう。
この意見について考えてみよう。 まず、国際競争に晒されてる分野に於いては、労働市場の自由化を拒んで、海外に比べて高い給与を払い続けることは、そもそも難しい。 こういった分野においては非自由化を選択するメリットはない。 例えば、プログラミングなどソフト産業の場合、日本語を組み込んだものでなければ、海外に発注するのに何の障害もない。 したがって、プログラミングなどの分野は、一部の高度なものを除き、日本においても低賃金になっている。
一方、国際競争に晒されていない分野においては、労働市場の自由化を拒んで、現在と同じ給与を払い続けるという選択肢はありうる。 しかし、この場合、労働市場を自由化すれば、消費者は、安い商品、或いは安いサービスを享受できたのであり、トータルとして考えると、労働市場を自由化した方がメリットが大きい。
いずれにしても、労働市場を海外の国々が自由化した場合、国際競争力の維持という面から、労働市場の自由化は、不可避である。 即ち、自由化を拒んだ場合には、国が衰退する。 日本は島国で、他国と国境を接していないため、実感に乏しいが、もし、日本がヨーロッパのように、他国と隣接する状態であれば、自由化が不可避であることは、実感として感じられることだろう。
自由化のメリットを検証するために、医師不足を取り上げたい。日本の地域医療は、医師不足が深刻化している。 特に、東北地方や北海道では医師不足が深刻になっている。 手術が出来ない、医師不足で救急患者に対応できないという地方自治体は多い。 外国人医師を導入することは一つの選択肢になりうる。 労働者の移動の自由化が進むヨーロッパでは、医師不足に悩むイギリスが、外国人医師の移入を進めた結果、医師不足の解消に成功し、現在、イギリスでは医師の3割が外国人医師である。
日本においても、現在2年間という制限はあるが、中国人医師などが地方病院などで働いている。 外国人医師でも患者とのコミュニュケーションに問題がなければ、診療に問題はない。 特に、日本に留学して学んだ医師の場合は全く問題ないだろう。 外国人医師が増えてくれば、医療ツーリズムなど海外からの医療需要も見込める。 これがTPPで促進される可能性がある。 つまりどの国の医師免許でも、加盟国のどこでも働けるクロスライセンスが認められる可能性がある。 閉鎖的な日本の労働市場を開放しどんどん外国人を入れるべきだ。 外国人を移入することは、彼らが消費するだけでなく、旅行者という形であっても日本にやってくる外国人が増加すれば、彼らは短期で大きな消費をするため、日本経済を大きくする大きな力になりうる。
閉鎖的な労働市場を開放し、競争を促進することで、経済が活性化し、経済が拡大するというのが、現在の日本にとって必要なことではないだろうか。 もし現在の閉鎖的な労働市場を維持した場合、経済発展する可能性が減少しないか、よく考えるべきだ。
1 ■Re:おやおや
>boarsheadさん
君の書く内容はエントリーと無関係でしょ。 マナーは守るべき。 エントリーに関する反論は構いませんけどね。