沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題を巡り、おととし、日本政府がアメリカに対し、新たな移設先が見つからなければ、名護市辺野古に建設する従来の案に戻すことを約束したとする、アメリカ政府の外交文書が明らかになりました。
これは、政府の内部文書などをインターネット上に掲載している「ウィキリークス」が、東京のアメリカ大使館が作成して本国に送った外交文書だとして4日に公表したものです。それによりますと、おととしの12月21日、当時の薮中外務次官がアメリカのルース駐日大使に対して、「鳩山総理大臣は、クリントン国務長官と数日前に会談した際、普天間基地の新たな移設先が見つからなければ、名護市辺野古に建設する従来の案に戻すことを約束した」と述べたということです。さらに、その10日ほど前の12月9日、当時の前原国土交通大臣がルース大使と会談した際、「新たな移設先が見つからなければ従来の案に戻すという考えに、社民党や国民新党が同意しなければ、両党との連立を解消する用意があると述べた」としています。アメリカ軍普天間基地の移設問題を巡って、当時、日本政府は、新たな移設先の本格的な検討に着手したばかりで、鳩山総理大臣は、地元の沖縄に対しては、県外を含む新たな移設先を検討すると説明していながら、アメリカに対しては従来の案に戻す可能性を伝えていたとする外交文書が明らかになったことで、沖縄などから反発の声が上がることが予想されます。