八百長問題で関取17人が事実上の追放処分を受けた相撲界で、戦後初の珍事発生?−。日本相撲協会は4日、理事会を開き、空いた17枠のうち13枠を5月技量審査場所(8日初日、両国国技館)の成績で幕下から十両に昇進させることを決めた。臨時措置として幕内と十両の定員を2人ずつ減らして40人と26人にするが、貴乃花審判部長(元横綱)は「幕下上位で負け越した力士の昇進も、可能性としては出てくる」と説明。そうなると戦後初、最低でも13人となる十両昇進人数も戦後最多となる。
幕下力士が3勝4敗と負け越したとしても、関取の枠である66人以内に入っていれば十両に昇進させる。勝ち越したからといって、例えば幕下20枚目から無理やり十両昇進させるよりも公平さが保たれる。また、十両の最下位にいる力士が負け越しても十両にとどまる可能性もある。
無理やりの昇進はさせないが、チャンスが広がることは間違いない。貴乃花審判部長は「いつもは(幕下)5枚目が目安だが、10枚目以内の大勝ちはチャンスが出る」という。
幕内42人、十両28人の定員は、名古屋場所が開催されれば場所後の番付編成会議で埋める方針となっている。
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