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【プロ野球】

寺原完封 通算5度目で初の1−0

2011年5月5日 紙面から

◆オリックス1−0日本ハム

 うしろを振り向けば、頼もしい男がいた。

 「特に最初と最後、坂口に助けられました。あれだけ守備がうまいと投手は助かります」

 初回の1死一、二塁。四球を与えた直後こそ、オリックスの寺原がもっとも注意を払わなければならない状況だった。案の定、小谷野に長打性の飛球を打たれた。それを背走したセンター坂口がフェンス手前で捕球。先取点を与えずに済んだ。

 そして9回の2死無走者。稲葉の飛球を、坂口がやはり背走しながらフェンス手前でグラブに収め、ピンチを招かずに済んだ。目尻を下げて、坂口とハイタッチした。

 「いい当たりを打たれても守ってくれる。盗塁を刺してくれたのも、かなり助かりました」

 三塁を踏ませず、今季2度目の完封勝利。8回に盗塁を阻止した伊藤への感謝も忘れない。中盤には重心を低くしてフォームを修正し、制球も安定させた。

 「絶対に負けない。絶対に勝つ」。思いを強くして臨んだ先発だった。「最初の完封のあと、ふがいない投球が続いたので、危機感を持ってマウンドに上がった。無駄な四球はなかったのが良かった」。6安打に抑え、通算5度目の完封で1−0のスコアは初めてだ。

 こどもの日を前にしての快投は、長男嘉希くん(5)と長女千晴ちゃん(1)への最高の贈り物。「野球をやらせていないが、投げるふりをするとマネをするんですよ」。報道陣に囲まれても目尻を下げて、うれしそうに笑った。 (吉川学)

 

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