原発の危険性指摘 広瀬隆さんや研究者、上京で講演
東日本大震災による福島第1原発事故について考える緊急研究集会が23日、京都市上京区の同志社大新町キャンパスで始まった。反原発の立場からジャーナリストや研究者が講演し、原子力発電の危険性を指摘した。
大学教員や自治体職員らでつくる「エントロピー学会」(下京区)が企画した。原発事故で急きょテーマを変更して開き、約230人が参加した。
ジャーナリストの広瀬隆さんは、各国研究機関の観測データなどを用いて事故の状況を分析。「30代以下の世代は半径250キロ程度を最低限の退避圏として逃げてほしい」と語り、「事故は絶対に起こしてはいけない。放射能汚染に対策はない」と強調した。
大阪大の福本敬夫助教(分析化学)は高濃度汚染水の流出に伴う海洋汚染について言及し、「チェルノブイリよりも深刻。魚への影響は10年単位の監視が必要だ」と警告した。
「計画的避難区域」に指定された福島県飯舘村で3月末、放射線量の調査を行った菅井益郎・国学院大教授(公害史)は「線量計が振り切れる地点が何カ所もあった」と報告。「とにかく村からは早く避難しなければならない」としたうえで、表土をはぎ取るだけでは済まない汚染土壌の回復など、事故収束後も残る課題について危機感を示した。
研究会は24日午前10時~午後5時にも開かれる。
【 2011年04月24日 09時28分 】
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