昨年復活した“大人だけのドラえもんオールナイト”が4日深夜に、東京・六本木で開催され、最新作『映画ドラえもん 新のび太と鉄人兵団~はばたけ天使たち~』と旧作、過去の全ドラ映画の予告編が上映された。トークショーでは、最新作を監督した寺本幸代監督、ドラえもん初の小説『のび太と鉄人兵団』を手がけた作家の瀬名秀明氏が登壇し、ドラえもんへの想いを語り合った。
『のび太と鉄人兵団』は、もともと1986年に劇場公開されたもので、現在公開されているのは、新たなスタッフの手によって生まれ変わったリメイク作品。物語は、のび太がひょんなことから地球を侵略しようとするロボットたちの陰謀に気づき、ドラえもんたちと力を合わせて人間を救うべく奮闘。しかしながら、人間とロボットの友情物語という側面もある感動作だ。
旧作について寺本監督が「私はのび太くんと同じくらいの年齢の時に映画を観て、リルルが大好きだったんです」と語ると、瀬名氏も「僕はその頃学生で、ひとりで劇場に行きにくい年齢なんですが(笑)、観に行って感動したのを覚えています。コミックスも大事にとってありますし、コロコロコミックの連載も読んでいたので、今回このような形で仕事ができて本当に嬉しいんです」と続き、ふたりが今回の作品に特別な思いで臨んだことを明らかにした。
いち早く映画を観たという瀬名氏は、「今回の映画の最大の見どころは、新キャラのピッポが最大のネタバレではないことですよね」と、のび太が操縦するロボットの頭脳・ジュドを新作でかわいらしい“ピッポ”というキャラに生まれ変わらせた寺本監督のアイデアを賞賛。すると監督が、「ピッポを出したことで、スネ夫のロボット・ミクロスを描けなかったのが残念だったんです。瀬名さんの小説には、ミクロスもスネ夫の気持ちもたっぷり描かれていて感動しました」と返すなど、お互いの“鉄人兵団”をリスペクトし合った。
最後にドラえもん映画の魅力を聞かれた寺本監督は、「どんなに大きな事件が起きても、必ず最後は普通の生活に戻っていくという安心感。そして、藤子先生の道具のアイデアの豊富さだと思います」と答え、トークショーを締めた。もともとファンの間でも人気の高い『のび太と鉄人兵団』だが、ドラえもんを心から敬愛するふたりのクリエイターによって、さらに新しい世代に語り継がれていくこととなりそうだ。
『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団』
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