映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜
3月5日(土)全国ロードショー
あの名作がついに復活! 『鉄人兵団』が愛されるワケ
1986年に、“劇場版ドラえもん”の7本目として公開され、ファンの間で語り継がれてきた人気作『のび太と鉄人兵団』が、2011年、復活する!そこで、どうして本作が愛されるのか。レギュラー声優陣や、今回のスタッフ、そして劇場を訪れた観客のコメントからその理由を紐解きます!
Text:新谷里映 ©&藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK2011
プロフィール
1976年、静岡県生まれ。2000年にベガエンタテインメントに入社。2005年、ドラえもん新生TVシリーズ第1話の演出を担当したほか、2007年にはドラ映画史上初の女性監督として『のび太の新魔界大冒険〜七人の魔法使い〜』を手がけた。
1976年、静岡県生まれ。2000年にベガエンタテインメントに入社。2005年、ドラえもん新生TVシリーズ第1話の演出を担当したほか、2007年にはドラ映画史上初の女性監督として『のび太の新魔界大冒険〜七人の魔法使い〜』を手がけた。
「私自身も小学生のときに映画と原作を観て大好きですし、ファンの人気がものすごく高いことも知っていますから、確かにプレッシャーはありました。でも、私もこの作品が大好きだからこそ『新しく観てくれる子どもたちのためにつくりたい』と思いましたし、私自身が楽しんで作れば、それが観客に伝わるんじゃないかと思いました」
そこで寺本監督はまず、藤子先生が描いた原作コミックに立ち戻ったという。
「原作が本当に素晴らしいので、映画でも“原作のよさ”を引き出したいと思いました。ただ、小さいころに観て感動した旧作とまったく同じものであれば、素晴らしい旧作に失礼だと思ったので、新しい要素を入れて作りたかったんです」。
確かに本作には、原作や86年版にはない新しい場面やキャラクターが登場する。しかし、寺本監督は“日常の風景を舞台に、のび太たちが最強の敵に立ち向かう”という他のドラ映画にはない『…鉄人兵団』の魅力を映像化することに心血を注いでいる。
「普通のロボットアニメと違って、のび太の世界に巨大なロボットが出てくる不思議さを描きたかったので、日常の中にロボットが存在した場合の大きさや重さは気を付けて描きましたし、事前に実際のビルや街を取材して『自分たちの暮らす街が本当に破壊されてしまったらどうしよう?』と感じられるようなリアル感を出そうとしました」
そのこだわりは、のび太やしずか、そしてリルルたちが織りなす人間ドラマにも息づいている。
「キャラクターの感情をキチンと描かないと、どんなにカッコいいアクションがあっても映画としては成立しません。この映画は内容が詰まった作品で尺に入り切らなくて、いろいろと場面を削ったりしたのですが、キャラクターの感情表現だけは削らないようにしました」
自分たちが愛し、多くのファンが愛した『鉄人兵団』だからこそ、“いまの子どもたちに一番観てほしい映画”として『新・のび太と鉄人兵団〜はばたけ 天使たち〜』はつくられたようだ。
「ドラえもんの最大の魅力は、藤子先生の驚異的なアイデア力。だから私が子どもの頃に感じたワクワク感を、いまの子どもたちにも伝えたい。作り手が一丸となって『鉄人兵団』への愛情を込めて作った作品ですので、きっと面白い映画になっていると思います」