韓国軍:「今の分隊長・小隊長では作戦遂行は困難」(下)
金秉寛予備役大将が苦言
金元副司令官は、1985年に自ら師団参謀として勤務したときと、99年に師団長として勤務したときを比較し、下級将校の問題点は改善されていないと語った。金元副司令官は「ドイツだけを取り上げてみても、分隊長・小隊長の兵士としての生活体験や訓練期間は27カ月に達し、米国もこれを下回ることはないが、韓国では短いケースで7.5カ月、長くても15カ月に過ぎない。こんな状態で分隊長・小隊長を務めたら、部下の実情や心理を把握するのは難しく、部下の指導・掌握に自信がないまま臨むことになる。一部の分隊長・小隊長がうつ病の症状を訴えるケースもある」と話した。
また金元副司令官は、韓国軍の下級幹部志願者の資質低下と不十分な教育の問題も深刻だと語った。「兵士たちの服務期間が2年以下に短縮され、下級幹部の志願者が一層減っているため、資質はさらに低くなり、教育期間が短いにもかかわらず、教官の能力や教育支援も不十分」
金元副司令官は「下級指揮官が弱いと、軍は“砂上の楼閣”に過ぎない。下級指揮官の強弱に戦争の勝敗がかかっているということは、古代の戦争から第2次大戦に至るまでの戦史で立証されている」と語った。韓国軍当局は、昨年の天安・延坪島事件の後、交戦規則の適用に融通を持たせ、北朝鮮が挑発を行った際には現場の指揮官が「撃ちますか、やめますか」と上級部隊に問うことなく「先に措置、後で報告」するよう強調している。しかし、下級指揮官が弱いと、未熟な対応など数々の問題を引き起こしかねないという。
金元副司令官は「韓国軍の教育訓練予算は、戦力増強予算の21分の1に過ぎない」と述べ、軍幹部の精鋭化により多くの予算を投入しなければならないと語った。かつての「栗谷計画」(韓国軍の戦力増強5カ年計画)に続く、幹部精鋭化のための「花郎計画」(仮称)を推進すべきだと強調した。
金元副司令官は陸士28期を首席で入学・卒業し、陸軍第2師団長、第7軍団長を歴任、05年から08年まで第1軍司令官と韓米連合司令部副司令官を務めた。
ユ・ヨンウォン記者