韓国軍:「今の分隊長・小隊長では作戦遂行は困難」(上)

金秉寛予備役大将が苦言

 「韓国軍の分隊長・小隊長には、状況の変化に応じた判断や決断を期待できない。ひどく言えば、与えられた任務を遂行するための基本的指揮活動すら期待できないのが実情」

 分隊長・小隊長は10人から30人の部下を率いる下級指揮官で、分隊長は下士(二等軍曹に相当)、小隊長は少尉が務める。この下級指揮官の能力不足問題が深刻だという告白が、予備役陸軍大将から飛び出した。金秉寛(キム・ビョングァン)元韓米連合司令部副司令官は3日、陸軍協会と与党ハンナラ党国策諮問委員会が国会憲政記念館で共同主催したセミナーで「初級部隊幹部の精鋭化」をテーマに、自らの経験談や軍の実態を率直に打ち明けた。

 金元副司令官は「各種の野外機動訓練時に現れる初級幹部の能力不足現象に対する懸念は、ますます深刻になっている。洪川科学化訓練場(KCTC)で実施される訓練は実戦に近いものだが、この訓練で戦術的能力の弱さが何度も指摘されている」と語った。訓練場で敵軍(仮想)と遭遇した際、部隊の兵力が1カ所に固まっていて大きな被害が生じたり、状況措置が不十分だったという。

 記者の電話インタビューに対し、金元副司令官は「まず、韓国軍首脳部をはじめとする高級指揮官が、昨年の哨戒艦『沈没』事件や延坪砲撃で露呈した誤りと安逸を深く反省しなければならない」と前置きした上で「非難されるとしても、下級指揮官の問題点もまた指摘せざるを得ない」と語った。

金秉寛・元韓米連合司令部副司令官/写真=許永翰(ホ・ヨンハン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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