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[政治]ニュース トピック:主張
【主張】講和条約調印60年 主権意識強め結束したい
28日はサンフランシスコ講和条約が発効し、戦後日本が占領体制を脱して主権を回復した日だ。今年は、その条約調印から60年にあたる。
主権回復当初、日本は戦後復興の途上にあった。メーデー事件や火炎ビン闘争が頻発した。朝鮮戦争が続いており、内外に大きな不安を抱えながらの再出発だった。
日本は安全保障面で米国に支えられつつも、さまざまな困難を克服し、敗戦後の廃虚から立ち直った。今、日本は東日本大震災という戦後最大の国難に直面している。国民一人一人が改めて強い主権意識を持って結束したい。
自衛隊、警察、消防、自治体関係者に加え、多くの医師や民間ボランティアが被災地に駆けつけ、懸命の復旧活動を行っている。福島第1原発の事故現場でも、東京電力や関連企業の職員らが被害の拡大防止に全力で取り組んでいる。国民の主権意識がそれぞれの職業的使命感によっても支えられていることを示している。
問題は菅直人首相の指導力だ。危機の中、国家の指導者は国民の総力を結集しなければならない。だが、菅政権は大震災後、復興構想会議をはじめ20以上の組織をつくったものの、官僚らの能力を十分に引き出し得ていない。これが最大の懸念材料である。
講和条約により、敗戦国の日本は朝鮮、台湾などの旧領土を放棄し、新しい国境線が引かれた。昨年から今年にかけ、その領土をめぐり、日本の主権が脅かされる事態が相次いだ。
沖縄県尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、石垣海上保安部は中国漁船の船長を公務執行妨害容疑で逮捕したが、那覇地検は「外交上の配慮」を理由に、船長を釈放した。菅政権は同地検に責任を押し付けたうえ、中国漁船が日本の海上保安庁の巡視船にぶつかってきたことを示すビデオを、いまだに国民に公開していない。
ロシアが不法占拠する北方領土に、メドベージェフ大統領ら政府要人が次々と入り、軍備強化を図っている。韓国が不法占拠する竹島では、大震災の最中に大型へリポートの改修工事が始まった。菅政権は抗議をしているが、十分な対抗措置はとっていない。
領土を守り、かつ取り戻すことは主権国家の重要な責務の一つである。菅首相は主権意識の希薄さをはっきりと自覚すべきだ。
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