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[政治]ニュース
【40×40】笹幸恵 物資と「真心」運ぶ海自
2011.5.5 08:46
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「水やガソリンは足りていますか。それから歯の診療はどうですか」。こと細かに質問を重ねるのは、海上自衛隊の福本出(いづる)掃海隊群司令である。宮城県北東部の気仙沼大島。東日本大震災によって孤立状態に陥っていた。真っ先に支援の手を差し伸べたのが、群司令の乗る掃海母艦「ぶんご」だった。
地震から1カ月が経過した4月12日。私は陸前海岸で活動している海上自衛隊を取材するため、掃海母艦「ぶんご」に乗った。翌日、群司令の後について被災地を訪れた。「海上自衛隊さんがいなければ、私らは本当に取り残されていましたよ」。大島の公民館で住民の一人が言った。陸路での支援は不可能、また岸壁もがれきで覆われ、フェリーは横付けできない。こんなときこそ、小さなゴムボートが出せる掃海部隊の出番である。
取材中、福本群司令は何度も“顔の見える支援”という言葉を繰り返した。「被災地には、できるだけ同じ人間に行かせるようにするんです。訪れるたびに一から説明するのでは、住民に負担がかかりますから。それに顔見知りになれば要望も伝えやすい。私たちはご用聞きなんです」。たらい回しが当たり前の役所の窓口に聞かせてやりたい言葉である。
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