＜ソニー＞情報流出、被害者延べ１億人超の可能性も

　ソニーは３日、パソコン向けオンラインゲームを運営する米子会社がハッカーの不正侵入を受け、最大で利用者約２４６０万人分の個人情報が流出した恐れがあると発表した。同社は、ゲームソフト配信サービスなどへのハッカー攻撃で最大７７００万人の個人情報流出の恐れを発表したばかり。被害者が延べ１億人を超える史上最悪の情報流出となる可能性があり、同社の情報管理体制の甘さに対する批判がいっそう強まりそうだ。

　ハッカー攻撃されたのは「ソニー・オンラインエンタテインメント（ＳＯＥ）」（カリフォルニア州）。顧客の氏名、住所、電話番号、生年月日、ログインＩＤ、パスワードなどが流出した可能性がある。国別では米国が最多の約１５８０万人分で、日本の顧客は約１８万５０００人。０７年に登録されていた約１万２７００件（うち日本約４３００件）のクレジットカードなどの情報も流出したおそれがあり、うち９００件は現在も有効なカード。また、オーストリアなど欧州４カ国のデビットカード情報約１万７００件も漏えいした可能性があるという。

　ＳＯＥは不正アクセスがあったため、４月２０日（現地時間）にサービスを一時停止。社内調査でシステムのぜい弱性（安全性の欠陥）が分かり修正を加えたが、個人情報の漏えいはないと判断し２１日（同）に再開した。しかし、調査会社の調べで、４月１６〜１７日（同）に情報が流出した可能性が今月２日（同）判明。直後からサービスを再び止めた。

　ソニーグループ全体がハッカー攻撃の対象になった可能性もある。同社によると、グループ内で個人情報を扱うのは、インターネットプロバイダーのソネットエンタテインメント▽ソニー損保▽ネット通販のソニーマーケティング−−など。ソニー広報は「グループ内の調査を進めているが、情報流出は確認されていない」としている。【竹地広憲】

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