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【埼玉】

「今さら…」「パフォーマンス」 双葉町民冷ややか 加須の避難所 首相訪問

2011年5月5日

上田清司知事(手前左)らに迎えられる菅直人首相(中央)=加須市の旧騎西高校で

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 福島県双葉町が役場機能ごと避難している加須市の旧騎西高校に四日、訪れた菅直人首相。東日本大震災から二カ月近くという初訪問に、町民からは「何を今さら」「ただのパフォーマンスでは」などと冷ややかな声が上がった。

 菅首相は、予定の一時間を大幅に超える約五時間をかけて避難所内を巡回。町民から首相に、古里に帰れる時期や仮設住宅などについて質問が相次いだ。

 「ただ避難所に来たというだけで終わってほしくない」。東京電力の関連会社で働いていた渡辺俊輔さん(27)は話す。生まれたばかりの子と一緒に避難。「子ども手当を廃止するなどの話が出ているが、避難所で生活する子たちの状況を見て判断して」

 兼業農家の男性(62)は「ただ早く自宅に帰りたいだけで、首相に言いたいことなんてない。天皇、皇后両陛下はすぐに来てくださったのに、今さら何をしにきたんだ」。家族四人で避難している無職女性(44)は「現状が変わるわけでもないし、ただのパフォーマンスに感じた。早く原発事故を収束させて、元の生活を返してほしい」と訴えた。

 視察に先立ち、首相と井戸川克隆町長、上田清司知事、大橋良一加須市長が約四十分間会談。井戸川町長は福島県内での仮設住宅について、早期建設を首相に求めた。上田知事は「避難者の支援費用について、首相は『すべて国が持つ』と言っていた」と述べた。 (増田紗苗)

 

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