まえけんの愛称で人気のタレント・前田健(39)が監督に初挑戦した映画「それでも花は咲いていく」が7日に封切られる。前田と10年以上の付き合いで同作にも出演した女優・南野陽子(43)は「あやや(松浦亜弥)のモノマネだけじゃないの。健ちゃんはすごいのよ。海外でも受け入れられると思う」とその才能を絶賛した。ゲイならではの感性を生かし、幅広く活躍中の前田。“世界の巨匠”を目指して第一歩を踏み出す。
気心しれた南野と前田がそろってインタビューに応じ、映画について熱く語り合った。映画「それでも花は咲いていく」は、前田が2009年に出版した初めての小説が原作。セクシャルマイノリティーがテーマとなっており、人には言えない悩みを持つ3人の男の姿がオムニバス形式で描かれている。
公開を7日に控え、前田は「おなかの中で本当にいい子に育っているんだけど、出産そのものが不安といったお母さんのような気持ちです。試写会ではいい手応えがある。無事に元気に生まれてくれれば」。ロリコン男(仁科貴)の苦悩を描いたオムニバスの1本「エーデルワイス」に出演した南野も「楽しみですね」と声を弾ませた。
2人の出会いは10年以上前にさかのぼる。「ライブを見て『この人いい。一緒に仕事がしたい』と思ったの」と南野。その後、テレビや舞台で何度も共演。音楽活動の際の振り付けもお願いするなど、その才能にほれ込んでいる。「健ちゃんが映画撮るって聞いて『どんな役でもいいから出たい』と言ったんです」
撮影現場では前田監督のオーラに引き込まれた。「頭の中で細かく映像が出来上がっていて、的確に指示を出していた。普段、表の人間として活動しているからこそ出来ること」と南野。「表の人間には中心に立って人を引っ張っていく存在感が必要なんだけど、それが現場でもあった。このご時世だし、予算なんてないのよ。でもスタッフが文句も言わず『監督についていこう』となってるの。愛される監督だった。きっとこの人は第2作、第3作と撮っていく人なんだなと思ったわ」
テーマがテーマだけに評価は分かれるかもしれない。しかし、ゲイの前田の感性があったからこそ撮れた映画でもある。「難しいと思う。人によっては抵抗を感じる内容だけど、健ちゃんはそのままでいいと思う。外国でもきっと受け入れられてもらえると思う」と“海外進出”をすすめた。
監督ももちろんそのつもり。「海外の人に見てほしいですね。これぐらいの変態はかわいいもので、なだらかな映画として見られるのかなとか、想像しちゃいますね」。マルチな才能を発揮している前田に、南野は「次回作? もちろん出るわよ。役がなくったって作りなさいよ。指でも足でも『どこに出ているでしょうか?』でもいいから」と早くもオファーしていた。
◆新婚・南野は母親役 〇…3月3日にインターネット関連会社を経営するAさん(39)と結婚した南野は、今作でも母親役を演じている。「意識はしていないけど結婚したことで変わっていくと思う。応援してくれる人がまた1人増えたと思うと、それだけでパワーになる。いろいろ楽しみです」と声を弾ませた。
[2011/5/5-06:05 スポーツ報知]