重信裁判とは ― 「パレスチナ解放闘争との連帯を起点に、日本社会の変革を追求した日本赤軍兵士の重信房子さん」
にかけられた長期勾留を目的とする政治裁判と言えます。
公正な裁判を求め、社会の不正に疑問を持つ有志が集まり、01年4月より救援活動を始めました。
私たちは運動の柱を次ぎの2点に定めました。
? 裁判維持に必要な救援実務とカンパ集め
? 世直しを求める人々との語り合い、交流の場をつくる。
『オリーブの樹』やホームページはこの目的のために発行しました。
では重信さんはなぜ裁判にかけられているのでしょうか。
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争点は三つです。
? 74年にOさんが日本出国のために使ったとされる旅券偽造。
? 74年、フランスで不当逮捕されたメンバーの奪還作戦として闘われた
オランダ・ハーグのフランス大使館占拠での逮捕監禁・殺人未遂。
? 00年の逮捕時に使っていた偽造旅券。
重信さんは?は認めて、関係者に機会あるごとに謝罪を表明しています。
しかし、??についてはまったくの無実、として争っています。
?はハーグ作戦の実行メンバーであった和光さんが、裁判所への「意見書」で「指示」したのは
PFLPの幹部であり、重信さんは一切関与していない、と証言しています。
そのため検察側は75年の戸平さんの「自供書」を元に「重信指示」を証明しようとしています。
一部マスコミにもリークして報じさせたりもしています。
ところが、検察側証人である戸平さんは、「重信さんを国際手配するために脅しで作られた作文」と
当時の「自供書」について証言しました。
もはや、重信さんの無罪は誰の目にも明らかになりだしています。
?についても、重信関与を思わせるS証人の証言が、証拠として棄却されました。
ではなぜ当局は25年以上も前の件で重刑を追及するのでしょうか。
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重信さんたち日本赤軍は、パレスチナ解放闘争に現地で共同していました。
「パレスチナ解放」とは第二次大戦後、ユダヤ人国家建設のためにパレスチナが占領され、
「イスラエル」がシオニストによって作られた事に始まります。
以来、イスラエルは相次ぐ国連決議を無視して軍事的に領土を拡張してきました。
そして、その都度、占領下住民が周辺国に追い出され、難民と化したのです。
建国は迫害されたユダヤ人の悲願"という論理が欧米を支配していました。
ところがユダヤ人追い出しを狙うドイツ・ナチスと他地域での建国を求めるシオニストは
そこで利害が一致し、共同していた事が近年、明らかにされています。
南米から拉致されてイスラエルで死刑にされたアイヒマンは、ナチス側のこの交渉担当者だった
と言われています。
しかも、ナチスに迫害されたヨーロッパ・ユダヤ人のルーツは中央アジアのハザール人です。
ユダヤ教を国教としていたハザール国が滅び、ハザール人は各地に四散します。
その子孫が縁もゆかりもないパレスチナの地を「本来の地」と宣言し、占領を正当化しているのです。
先住民を迫害して「自由の国!」を作った米国と、心情面で近いものを感じさせます。
パレスチナ問題はローカルな「民族紛争」ではありません。
ヨーロッパ諸国が抱えた民族問題、植民地問題、宗教問題などの不完全な処理が、
パレスチナに投げ込まれたのです。
シオニスト(ユダヤ選民主義者)のオルブライトが米国の国務長官になったりした事など、米国と
イスラエルの濃密な関係は、世界の覇者による一元支配の道が掃き清められているようにも見えます。
それに抵抗しているがために「パレスチナ解放」に「テロ」のレッテルが貼られているのです。
その米国によるグローバリズムの流れは日本にも覆い被さって来ています。
私たちも、自身の事として「パレスチナ問題」を考える時が来るかも知れません。
スペイン内戦に、国際義勇軍として参戦したヘミングウェイやジョージ・オーウェルを「犯罪者」として
扱おうとしたのは、対抗していたファシスト軍やナチスではなかったのでしょうか。
重信裁判の成り行きにアラブ世界は日本政府の本音を見るでしょう。
歴史の流れが戦火の記憶を遠ざけています。
日本は何処に向かうのでしょうか。
重信裁判に注目し、共に考えてみませんか。
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