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[政治]ニュース
【阿比留瑠比 被災地・福島を歩く】「村民はすべてをなくす」 首相と被災地に意識乖離
2011.5.4 22:45
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福島県の浜通り、茨城との県境に接する人口34万人のいわき市は、東日本大震災による津波では特に沿岸部で大きな被害を受け、約300人が死亡した。今も約2400人が避難所暮らしを強いられている。
「私の家です。建物の解体撤去を承諾します」
津波を受けた後、かろうじて骨格は残った家々ももう住めず、所有者名でこんな張り紙がされていた。
このいわき市の足を引っ張ったのが、やはり首相をはじめ政府が垂れ流した風評被害だった。
「いわきを何とかしようと頑張っているところに、何でここにいない人に『あそこは危なそうだ』といわれなくてはいけないのか」
伊東正晃副市長は憤る。
いわき市は北部の一部が福島第1原発から30キロ圏内の「屋内退避区域」(3月15日指示)にかかっていたものの、ほとんどの地域は何ら指定は受けていなかった。
それなのに、風評被害ははもろに受けた。震災発生後はガソリンをはじめとする物資が入らなくなり、「同じ福島県の郡山市のガソリンスタンドに行ったいわきナンバー車が、『来るな』といわれた」(元いわき市長の岩城光英自民党参院議員)こともあった。
「いわき市の強い要望に基づいて結論を出した」
枝野幸男官房長官は4月22日の記者会見で、いわき市北部の屋内退避指示の解除を発表するにあたってわざわざこう述べた。だが、市側が解除を強く求めた事実は一切なかった。
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