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[政治]ニュース
【阿比留瑠比 被災地・福島を歩く】「村民はすべてをなくす」 首相と被災地に意識乖離
2011.5.4 22:45
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地震、津波、原発事故に風評被害…。東日本大震災とその後の菅政権の対応のまずさから「四重苦」(佐藤雄平知事)が生じている福島県を歩いた。(阿比留瑠比)
福島市から東へ車で約1時間。新緑がまぶしく、枝垂れ桜がたおやかな飯舘(いいたて)村に着く。ブランド牛「飯舘牛」がゆっくりと草をはむ風景はのどかだ。だが、田畑に人影はほとんどなく、例年なら始まっている田起こしも行われていない。
東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、政府は4月11日、飯舘村全域を「計画的避難区域」に指定した。村民は5月下旬をめどに避難を迫られるが、現時点で確保できた避難先は全村民の半数に満たない約3千人分にとどまる。
「村の会社はつぶれ、村民は積み上げてきたものを全部なくす。政府は健康第一だというが、将来のあてもなく避難するリスクとどっちが大きいのか…」
菅野典雄村長は、村役場の村長室でこう語った。机上には、菅直人首相が4月18日の参院予算委員会で、たちあがれ日本の片山虎之助氏に「あなたには心がない」と指摘された問題を取り上げた新聞コラムのコピーが積まれていた。
政府が急遽(きゅうきょ)、計画的避難区域を設定した経緯については、官邸内でも「万一の際の責任追及を恐れた首脳陣が政治的に決めた」(関係者)との証言がある。
「最悪の事態では、東日本はつぶれる」
「10年、20年住めないということになる」
一方で側近の「顧問」や「参与」は首相の発言としてこんな深刻な風評被害をまき散らした。
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