(cache) 被災者求人8割応募なし 地元志向とミスマッチ - 47NEWS(よんななニュース)
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  • 被災者求人8割応募なし 地元志向とミスマッチ


     ハローワークの職員らに就業などの相談をする、福島県浪江町から避難してきた被災者ら=4月8日、東京都江東区の東京ビッグサイト

     東日本大震災で職を失った被災者を対象に全国から寄せられた1万件を超す求人のうち、約8割に全く応募がないことが3日、分かった。求人は生活再建を支援しようと、各地の中小企業や自治体が実施しているが、東北以外からが圧倒的で、地元への就職を希望する被災者とのミスマッチが浮かび上がった。

     厚生労働省岩手労働局は「復旧が進まない中、家族と離れられないという思いが被災者に強まっている」と分析している。

     宮城労働局などによると、被災者向けと分類された「震災被災者対象求人」は3月25日に開始。1日現在で全国から1万113件あるが、8197件にはこれまで応募がなかった。

     東北6県以外からは、東京や埼玉、神奈川などの中小企業のほか、愛知や福岡などから幅広く求人があるが、8940件の求人に対し、応募があったのは15%の1333件にとどまっている。一方、東北6県での求人1173件には、ほぼ半数の583件に応募があった。

     厚労省によると、離職票の交付など失業手当を受ける手続きを始めた人は、岩手、宮城、福島3県で4月下旬までに計約7万人に上る。

     仙台市内のハローワークの担当者は「失業手当の受給手続きは殺到しているが、県外企業の求人に応募する人はほとんどいない」と説明。地元志向だけでなく、漁業などへの本業復帰を見越して、日雇いの形式を選択する人もいるという。

     会社自体が被災して解雇され、宮城県石巻市のハローワークに来た男性(52)は「母は住み慣れた地元を離れることを嫌がるし、母を残して働きに出ることもできない」と話した。

     宮城労働局の担当者は「今はまだ、考えられる状況ではないだろうが、生活が落ち着きを取り戻せば、県外への移住も検討できるようになるのでは」と期待している。

      【共同通信】