事件【東日本大震災】田植えシーズンは来たけれど 「作っても売れるのか…」+(2/2ページ)(2011.5.4 21:37

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【東日本大震災】
田植えシーズンは来たけれど 「作っても売れるのか…」

2011.5.4 21:37 (2/2ページ)
福島市でようやく始まった耕うん作業。平年なら「きょうが田植えだが今年は10日後かな」と話す農家の男性=1日、福島市竹ノ内(中川真撮影)

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福島市でようやく始まった耕うん作業。平年なら「きょうが田植えだが今年は10日後かな」と話す農家の男性=1日、福島市竹ノ内(中川真撮影)

 一方、津波や震災の被害がない農家も、不安は尽きない。

 「作っても売れるのか。万が一出荷時の検査で放射性物質が検出されて売り物にならなければ、経費は賠償されるのか」。福島市松川町のコメ農家、尾形寅昭さん(56)は憤りを隠さない。

 政府は原発周辺の約7千戸約1万ヘクタールを対象に今年のコメの作付けを制限しているが、同町は原発から約60キロ。作付けが制限される土壌の放射性セシウムの基準値(1キログラム当たり5千ベクレル)も下回り、震災による用水路などの破損もない。

 作付けは可能だが、コメが実っても風評被害などで売れなかった場合の東電による賠償は不透明だ。政府は「賠償について万全を期したい」と繰り返すが、確約されたわけではない。だが、経費がかさむのを恐れて放置すれば水田が荒れるため、作るしか選択肢はない。

 尾形さんは3日、例年より1週間程度遅れて肥料散布などの作付け準備を始めた。5月中に2ヘクタールの田植えを終える予定だ。

 「政府も東電も信用できない。『今年も買うから負けないでコメを作って』と言ってくれる個人契約者がいるのが唯一の救い」と尾形さんは話している。(高橋裕子)

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津波で浸水し、田植えの時期を迎えても放置されたままの水田=2日午前、仙台市若林区

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