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'11/5/4

謝罪行脚の東電社長に怒り集中

 「町民に謝罪しないのか」「土下座しろ」。福島第1原発事故について謝罪するため4日、再び福島県を訪れた東京電力の清水正孝しみず・まさたか社長。事態収束の兆しは見えず、避難所では住民から強い怒りと不満がぶつけられた。

 二本松市に移動した同県浪江町の臨時役場会議室。馬場有ばば・たもつ町長や町議がずらりと居並ぶ。清水社長は冒頭から何度も頭を下げて陳謝。しかし事故後50日以上たっての訪問に、町長は声を荒らげた。「本当に申し訳ないという気があるのか。はらわたが煮えくり返る」

 町長らとの面会を終えて会議室を出た直後。今度は女性が詰め寄った。「町民には謝らず帰るんですか。迷惑しているんです」。社長は「解決に向けて努力します」と小声で答えた。近くにいた男性が「頭をついて土下座しろ」とすごむと、社長ら東電の7人はその場で土下座した。

 浪江町民が避難生活を送る市内の体育館には約150人が集まった。自営業志賀誠一しが・せいいちさん(57)は「子どももいる。ローンもある。しっかり補償してほしい」と要請。ほかにも「いつ地元に帰れるのか」「原発は安全との説明はうそだったのか」などの声が上がった。



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