2011年3月10日 15時17分 更新:3月10日 23時21分
大阪、愛知、岐阜の3府県で94年、男性4人が殺害された3件の連続リンチ殺人事件で強盗殺人罪などに問われた事件当時18~19歳の元少年3人に対し、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は10日、上告を棄却する判決を言い渡した。「主犯格」の1人を死刑、2人を無期懲役とした1審・名古屋地裁判決(01年)を破棄し、3人に死刑を言い渡した2審の名古屋高裁判決(05年)が確定する。
死刑が確定するのは、いずれも現在35歳で、愛知県一宮市生まれの元少年(当時19歳)▽大阪府松原市生まれの元少年(同)▽大阪市西成区生まれの元少年(当時18歳)。
名古屋地裁は3件のうち1件に殺人罪ではなく傷害致死罪を適用したうえで、一宮市生まれの元少年を主犯格と判断して死刑とし、他の2被告には無期懲役を言い渡した。
しかし、2審は3件全てで殺人罪を認定。「3被告の役割に差はない」と判断して1審を破棄し、全員に死刑を言い渡した。
2審判決によると、3被告は94年9月28日、大阪市中央区の路上で無職の林正英さん(当時26歳)に言いがかりをつけ雑居ビル内に連れ込み絞殺、遺体を高知県内の山中に遺棄した。同10月6日には愛知県稲沢市の友人宅で知り合いだった建設作業員、岡田五輪和(さわと)さん(同22歳)をビール瓶などで殴打し、7日未明に同県尾西市(現一宮市)の木曽川堤防に放置して殺害。同日夜、稲沢市のボウリング場で、会社員の渡辺勝利さん(同20歳)とアルバイトの江崎正史さん(同19歳)に言いがかりをつけて暴行し、車で連れ回して現金を強奪。8日未明、岐阜県輪之内町の長良川河川敷で2人をパイプで殴打するなどして殺害した。【伊藤一郎】