ある日ある時、俺藤田浩樹は死んでしまった。死因はなんというか、銀行強盗に巻き込まれ犯人に見せしめとして殺されてしまったのだ。それだけでもある意味貴重な体験だがさらに貴重な体験をすることとなった。なんと前世の記憶を持ったまま転生したのだ。ここまででも十分腹いっぱいだがさらに続きがあった。なんと俺が転生した場所は地球じゃなかったのだ! しかも姿も人間には遠く、せいぜい体の形が似たようなものといった感じだ。
そんな世界で第二の人生を開始することとなったわけだが中々楽しかったりする。この星は地球なんか足元にも及ばないほどの技術力があり、興味が尽きないのだ。そして、第二の生が始まってから十五年たったある日、それは起こった。
「うわああああ」
「た、たすけてくれえええええ!!」
突然の終わり。後から知った話によると一人の狂った科学者が核実験を強行し、星は滅んでしまったのだ。運よく脱出する宇宙船に乗りこむことに成功した俺だが両親の姿は確認されなかった。この日から生き残った20億3000万人の長い放浪生活が始まった。
宇宙忍者になりました
プロローグ
放浪の旅を続け、一体どれほどの月日が流れただろうか? まれに宇宙船を襲ってくる怪物を撃退する以外に特にすることと言えば自身を磨くだけの毎日。俺はまだ平気だが小さい子にはノイローゼ寸前の者もいる。一刻も早く移住する星を見つけなければならない。そんな矢先だった。先行していた宇宙船がとうとう移住するのに適した星を見つけたというのだ。詳しく聞けば修理に立ち寄った際その星を気に入ったとのこと。早速、その星を見て俺は驚く。なんとその星は地球だったのだ。
かつての故郷を懐かしく思うと同時に、俺は移住は受け入れてもらえないだろうとも思った。俺が生きていたころの地球の人口は60億を超えている。ただでさえ地球の許容限界だったのにさらに20億など住めるわけもない。また放浪の旅が続くのか、地球に向けて宇宙船から飛び立つ大使を見ながら俺はそう思った。しかし、事態は俺の予想を裏切った。もちろん、悪い方向にだ。
「大使が死んだ!?」
なんと交渉に向かった大使が巨人に殺されたというのだ。詳しく聞くとどうやら大使は移住を受け入れられなかったことに腹を立て地球に攻撃を仕掛けたというのだ。何やってんだとも思ったがこちらも長きにわたる放浪生活で精神的に疲弊している。強硬策に出た大使の行動も分からなくはない。しかし解せない。俺は地球で長く暮らしていたがそんな巨人の話は聞いたこともない。俺が死んでから現れたのか? そう、一人考え込んでいるときに、あいつはやってきた。
「な、なんだあれは」
地球からこちらに向かってくるのは光る巨人。そいつは手から光線を放ち宇宙船団の母艦を攻撃、母艦は立った一発で爆発した。その爆発に巻き込まれ、俺のいた宇宙船も爆発。俺の意識はそこでブツリと途絶えた。
≪報告≫
ある日地球に降り立った異星人。その異星人は故郷を失い放浪の旅を続けているという。移住の交渉に現れた異星人との話し合いは当初受け入れを許可する動きにあったが難民の数を知った地球防衛軍はこれを拒否。異星人は巨大化し破壊活動を行った。その後、一度は核ミサイルで倒したかに思えたが異星人は復活。最後は現れた光の巨人『ウルトラマン』に倒される。その後、ウルトラマンは宇宙に上がり異星人の母艦を破壊、約20億人の異星人が死亡したと推測される。
追記
異星人の呼称を出身惑星である『バルタン星』から『バルタン星人』とする。
地球防衛軍怪獣資料、『バルタン星人』より抜粋。