消費税:20年代半ばには10%台後半必要 経団連提言案

2011年3月9日 2時30分 更新:3月9日 2時49分

 税と社会保障の一体改革について、日本経団連があるべき改革の方向性をまとめた「国民生活の安心基盤の確立に向けた提言」の全文が8日、明らかになった。社会保障費の増加に対応するため、速やかに消費税率を現行の5%から10%にしたうえで、20年代半ばにはさらに10%台後半まで引き上げる必要があると指摘。改革実現に向け、与野党の対立を超えた超党派での議論の必要性を強調した。11日に正式発表する。

 提言は、日本が経済成長を続けるうえで「現役世代の負担増を回避する必要がある」と指摘。高齢者が支払う医療費の窓口負担割合を引き上げるなど社会保障給付の抑制策を講じる一方で、不足する財源を賄うには「税負担割合の拡充が不可欠」とし、消費税率の段階的な引き上げを求めた。ただし、消費税率10%台後半への引き上げは「社会保障制度の持続可能性を維持する」ための対応に過ぎず、財政再建も見据えた場合、消費税率換算で「20%を上回る財源確保が必要」と試算。この財源を「消費税ですべて賄うのは現実的でない」とし、歳出の重点化や経済成長を通じた歳入拡大策が不可欠としている。

 一方、現行は社会保険方式の基礎年金について、「将来的に全額税により広く国民が負担する方向を目指し、段階的に税負担割合を引き上げていく」との案を提示。これまでは「25年度をめどに全額税方式に移行する必要がある」と主張してきたが、実現には今回の試算よりさらに重い税負担を求める必要があり、表現を後退させた。【赤間清広】

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