2011年3月8日 12時33分 更新:3月8日 13時29分
京都大の入試問題が試験時間中にインターネットの質問掲示板「ヤフー知恵袋」に投稿された事件で、京都府警は、偽計業務妨害容疑で逮捕した仙台市の男子予備校生(19)が単独で実行したとほぼ断定した。捜査幹部が8日、取材に対し、単純な手口による「カンニング行為だ」と述べた。
これまでの調べによると、予備校生は2月26日の英語の試験中、会場で自席に着き、携帯電話を机の下で股の間に挟むようにして隠した状態で操作。掲示板に問題を投稿したり、寄せられた回答を閲覧したりしたとみられている。
調べに対し、「自分一人で携帯電話を使って投稿した。合格したかった」と供述。経済的事情などから京大合格を強く希望し「母親を安心させたかった」と話しているという。
また、府警は押収した携帯電話の通信記録の分析を進めているが、今のところ、試験時間中には掲示板以外に電話や電子メールを発信した形跡が確認されていないとみられ、単独との見方が固まった。
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一方、同様に問題が投稿された同志社大は8日、被害届の提出を見送る方針を固めた。合否判定が既に終わっており、大学側が受けた被害も軽微だと判断した。同大広報課は「予備校生は今のところ単独での実行とみられる上、まだ未成年。今後の更生に期待したい」としている。【太田裕之、林哲平、広瀬登】