リビア:内戦の様相 政府軍が北中部都市を奪還

2011年3月7日 10時46分 更新:3月7日 11時52分

リビア政府軍機によるラスラヌフへの空爆=AP
リビア政府軍機によるラスラヌフへの空爆=AP
戦闘が行われた主な地域
戦闘が行われた主な地域

 【カイロ大前仁】北アフリカのリビアで6日、政府軍が反政府勢力の拠点数都市を攻撃、反政府勢力に一時占領された北中部の都市ビンジャワドを奪還した。一方、反政府勢力は西部ミスラタやアズザウィーヤで政府軍の攻撃を退けた。5~6日にかけての戦闘で20人以上が死亡するなど、多数の死傷者が出ている。抗議運動に端を発したリビアの反政府勢力と政府軍の衝突は、「内戦」の様相を強めている。

 反政府勢力は5日にビンジャワドを支配下に置いたが、6日朝までに態勢を立て直すために市内から撤退。その後に市郊外で政府軍と衝突したが、東方のラスラヌフまで撤退を強いられた。また政府軍機がラスラヌフの軍基地や建物を爆撃し、両市で少なくとも死者4人が確認されたが、さらに多数が死亡した恐れが出ている。

 石油関連施設が集まる北中部では、ここ数日、ラスラヌフやビンジャワドの支配権が目まぐるしく変わり、攻防が激しさを増している。

 反政府勢力が掌握するミスラタでは、最高指導者カダフィ大佐の七男ハミス氏が率いるエリート部隊「ハミス旅団」が市を取り囲み、攻撃を仕掛けた。政府は市を制圧したと発表したが、反政府勢力が撃退したことが確認された。反政府勢力は敵兵20人や装甲車1台を捕らえた一方で、幼児を含め18人が死亡した。反政府勢力はアズザウィーヤでも政府軍の攻撃を撃退したが、2人が死亡した。

 反政府組織の代表で作る国民評議会のゴーガ報道官は6日、ベネズエラのチャベス大統領が提案した停戦案に応じない考えを表明。同大統領がカダフィ氏と懇意にしていることから、政府寄りの停戦案を警戒している模様だ。

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